旧世紀の遺物か? 新時代の主役か?? 直6エンジンが絶滅の危機から復活した理由


メルセデスベンツがほぼ21年ぶりに直6を復活させた

 直6エンジンが少数派であることには変わらないが、メルセデスベンツが2018年に3L、直6エンジンを搭載するS450の販売を開始。

 メルセデスベンツが直6搭載モデルをラインナップするのは、前述のとおり1997年以来ほぼ21年ぶりのことだ。

2018年に直6エンジンを搭載して登場したS450。マイルドハイブリッド仕様とすることで直6の燃費問題は解決

 では、なぜメルセデスベンツは一度やめた直6を復活させたのか?

 その要因はいくつかあるが、まず、直6搭載の最大のデメリットであった衝突時のクラッシャブルゾーン確保の問題だが、現代の技術ではエンジンの気筒間のピッチを短くでき、全長も少しながら短縮できる。

 ボディに高張力鋼板などを使うことによってボディも大きく進化している。

 これらのことなどによりクラッシャブルゾーン問題は解決したとみていいだろう。

 もう1点は、ダウンサイジングターボに比べると燃費や環境性能に劣る直6エンジンだが、メルセデスは48Vのマイルドハイブリッドを組み合わせて燃費、環境性能も大きく向上させ、直6のネガを潰している。

メルセデスベンツの新世代直6エンジンの『M256』は補機類も含めて非常にコンパクトにまとめられていて直6のネガを潰している

 メルセデスの場合はハイパワーのAMGをラインナップしているが、こちらには電動スーパーチャージャーを組み合わせることで対処することができた。

 上記のような技術的に克服したものと同時に、直6のスムーズな回転フィール、上質感という最大のメリットがプレミアム性には欠かせないというのも見逃せないポイントだ。

 ドライブフィールで言えば、今欧州車では主流となっているDCTの場合、多気筒のほうがエンジンブレーキが効きやすい。トルコンATでも燃費向上を狙ったロックアップが頻繁に行われるのでエンジンブレーキ効果がスポーティーな操縦性にフォローだ。

 すなわち直4よりも直6のほうが上質な運転が可能というわけだ。

マツダは2022年に直6+FRを市販開始予定

 日本の自動車メーカーに目を移すと、マツダが直6エンジンを搭載したFR車を発売することを正式発表している。

 2021年の発売が有力視されていたが、2019年に発表した『2020年3月期第2四半期決算説明会』での資料によれば約1年遅れの2022年となるもよう。

予定より若干遅れて2022年の登場が確実視されている次期マツダ6。直6+FRのLARGEアーキテクチャーを採用する第1弾となる(上は予想CG)

 マツダが開発しているLARGEアーキテクチャーは、直列6気筒SKYACTIV-Xと直列6気筒SKYACTIV-D GEN2(第2世代)を縦置きに搭載する後輪駆動用プラットフォームだ。

 同時に48Vマイルドハイブリッド、プラグインハイブリッドという電動化も見据えている。

 マツダにとって直6エンジンは初めてのチャレンジとなり、ブランド価値を高める戦略を推進しているマツダにとってLARGEアーキテクチャーは非常に重要だ。

マツダの新世代直6はSKYACTIV-Xとして登場。写真はマツダ3に搭載される直4SKYACTIV-Xで、横置きと縦置きで違うが流用できるものも多いハズ

 マツダは直4のSKYACTIV-Xはすでにマツダ3、CX-30に搭載して発売している。直6は新開発のエンジンとなるが、基本は直4の延長線上にあるため、直4をベースに6気筒化することができるので開発はしやすいと思われる。

 これは開発が遅れていると言われている第2世代のSKYACTIV-Dについても同様のことが言える。

 マツダの新開発する直6エンジンは、次期マツダ6のユニットとなるほか、CX-5以上のSUVのユニットとして使われるというから楽しみである。

 マツダ以外のメーカーで直6を新たに開発しているメーカーは今のとこないようだ。かつてラインナップしていたトヨタ、日産についてもしかり。

 ただ、トヨタとマツダの協業の一環として、次期クラウンにも搭載されるという情報もあるので、このあたりについては続報に期待したい。

トヨタは直6をやめたが、BMWとの共同開発により誕生したスープラのトップグレードのRZには3L、直6ターボが搭載されている

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