旧世紀の遺物か? 新時代の主役か?? 直6エンジンが絶滅の危機から復活した理由

マツダは2022年に直6+FRを市販開始予定

 日本の自動車メーカーに目を移すと、マツダが直6エンジンを搭載したFR車を発売することを正式発表している。

 2021年の発売が有力視されていたが、2019年に発表した『2020年3月期第2四半期決算説明会』での資料によれば約1年遅れの2022年となるもよう。

予定より若干遅れて2022年の登場が確実視されている次期マツダ6。直6+FRのLARGEアーキテクチャーを採用する第1弾となる(上は予想CG)
予定より若干遅れて2022年の登場が確実視されている次期マツダ6。直6+FRのLARGEアーキテクチャーを採用する第1弾となる(上は予想CG)

 マツダが開発しているLARGEアーキテクチャーは、直列6気筒SKYACTIV-Xと直列6気筒SKYACTIV-D GEN2(第2世代)を縦置きに搭載する後輪駆動用プラットフォームだ。

 同時に48Vマイルドハイブリッド、プラグインハイブリッドという電動化も見据えている。

 マツダにとって直6エンジンは初めてのチャレンジとなり、ブランド価値を高める戦略を推進しているマツダにとってLARGEアーキテクチャーは非常に重要だ。

マツダの新世代直6はSKYACTIV-Xとして登場。写真はマツダ3に搭載される直4SKYACTIV-Xで、横置きと縦置きで違うが流用できるものも多いハズ
マツダの新世代直6はSKYACTIV-Xとして登場。写真はマツダ3に搭載される直4SKYACTIV-Xで、横置きと縦置きで違うが流用できるものも多いハズ

 マツダは直4のSKYACTIV-Xはすでにマツダ3、CX-30に搭載して発売している。直6は新開発のエンジンとなるが、基本は直4の延長線上にあるため、直4をベースに6気筒化することができるので開発はしやすいと思われる。

 これは開発が遅れていると言われている第2世代のSKYACTIV-Dについても同様のことが言える。

 マツダの新開発する直6エンジンは、次期マツダ6のユニットとなるほか、CX-5以上のSUVのユニットとして使われるというから楽しみである。

 マツダ以外のメーカーで直6を新たに開発しているメーカーは今のとこないようだ。かつてラインナップしていたトヨタ、日産についてもしかり。

 ただ、トヨタとマツダの協業の一環として、次期クラウンにも搭載されるという情報もあるので、このあたりについては続報に期待したい。

トヨタは直6をやめたが、BMWとの共同開発により誕生したスープラのトップグレードのRZには3L、直6ターボが搭載されている
トヨタは直6をやめたが、BMWとの共同開発により誕生したスープラのトップグレードのRZには3L、直6ターボが搭載されている

まとめ

 一時は絶滅危惧種として考えられていた直6エンジンをメルセデスベンツが復活させてにわかに注目を集めている。

 マツダがFR用の新開発直6エンジンを2022年に登場させることもわかっている。

 現代の技術で作られた新世代直6は、これまで以上にスムーズな回転フィールと燃費性能、環境性能を高いレベルでバランスさせているのは間違いないだろう。

 ユーザーにとっては選択肢が増え歓迎すべきことではあるが、あくまでもFR用の3Lクラスの特殊なエンジンのひとつで、主流になるエンジンではない。

 逆に言えば、主流にならないからこそプレミアム性が付加されるとも言えるだろう。

マツダは新開発の直6に関して、高級感を狙ったものではないとコメントしているが、少数派ということもあり直6+FRのプレミア性は高い。あとは出来次第
マツダは新開発の直6に関して、高級感を狙ったものではないとコメントしているが、少数派ということもあり直6+FRのプレミア性は高い。あとは出来次第

【画像ギャラリー】21世紀まで生き残ったトヨタと日産の直6エンジン搭載モデル10選

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