■レベル3の自動運転で日本提案が世界標準に
●自動運転装置は「注意深いドライバー」と同等?
2020年4月に行われた道交法と車両運送法の改正により、日本では自動運転レベル3車両の走行が可能になったが、そこでまとめられた「自動運行装置に関する基準」が、国連の下部組織である「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」で認められ、国際基準となった。
あらためて確認すると、今回国際基準となったのは、高速道路で渋滞が起き、時速60km以下で車線維持機能を使って走行するケース。
概要は図にまとめた6項目。
自動運行装置の性能の目安として「注意深く有能な運転者と同等以上」としている点が興味深い。また運転手が運転を引き継ぐまで制御は継続されること、ドライバーモニタリングやサイバーセキュリティの確保も盛り込まれている。
走行のイメージはこちらも図の通り。
渋滞が発生して時速60km以下になったらレベル3の自動運転を開始、同一車線を前車に追従して走行する。渋滞が解消するか、出口が近づいたら自動運転終了だ。
これなら、すでに日産やBMWが採用しているハンズオフ自動運転と同じじゃないかと思うかもしれないが、レベル3になると、自動運転中にスマホの閲覧などが可能になる点が大きい。ただし依然として基本的な安全運転義務は運転者にある点は留意しよう。
気になる対応車両だが、上で紹介している新型Sクラスを皮切りに高級車から普及が進むことになりそうだ。
■あいおいニッセイ同和損保、自動運転中の保険料をタダに
レベル3の自動運転で自動車保険も変わる。あいおいニッセイ同和損保が、自動運転中の保険料をタダにする商品を発表したのだ。
その仕組みだが、同社が指定する車載通信機をクルマに搭載し、自動運転の利用状況を把握する。自動運転で走った距離に応じて、年間の保険料から料金を割り引くのだという。レベル3対応車両を買ったら、ぜひとも検討しよう。
■テスラが自動運転技術の他社に供与?
時価総額でトヨタを抜いたと話題のテスラだが、いよいよ他社に自動運転技術の供与を始めるようだ。
同社CEOのイーロン・マスク氏がツイッターでつぶやいている。
テスラは、自社モデルにオートパイロットという自動運転システムを搭載しているが、その上位機能となる「フルセルフ・ドライビング」のオプション価格をじわじわと値上げするなど、奇策を繰り出している。
今回の発言は、独自技術の開発コストを他社と分担するコストダウン策とも思え、今後の成り行きが注目される。
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