歴戦のプロを今なお魅了してやまない名機たち エンジンが個性的なクルマ 5選


 クルマの心臓部たるエンジン。自動車評論家、そしてレーシングドライバーでもある松田秀士氏が、個性派エンジンを搭載した国産モデル5台を旧車&現行車から選出。類まれなる個性派5台が揃った。

【画像ギャラリー】RX-8 マツダ3 フロンテクーペ…珠玉の個性派エンジンを積んだ傑作モデルたちをギャラリーでチェック!!!

※本稿は2020年9月のものです
選者&文:松田秀士/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年10月10日号


■まさに唯一無二のマツダ ロータリーエンジン

 個性的なエンジン。世界で唯一の存在として注目を集めたマツダのロータリーエンジンだろう。

 ロータリー搭載車は数あれど、なかでも個性的なのは、現時点で最後のロータリーエンジン車となったRX-8だ。それに搭載された13B-MSPエンジンだ。

マツダ RX-8(2003年)…個性的ロータリーエンジン、現時点で最後の搭載車、RX-8。観音開きの4ドアも個性的だ

 そのどこが個性的なのか? というと、それまでのロータリーエンジンはペリフェラルポート式といって、吸排気用のポート(穴)がおむすび型ローターが回転する頭上の天井に開いていたのに対して、ローターの側壁に開けたサイドポート式を採用したこと。

 ペリフェラル式は吸排気のオーバーラップ(同時に開いている)が発生するうえ吸排気ポートのタイミングに制約があるのに対して、サイドポートはオーバーラップ解消が可能。

 加えて開閉タイミングの自由度が広がり、よりたくさんの吸気が可能になりパワーが出せる。自然吸気でもターボ並みのパワー、それがRX-8だった。

■世界の誰も成功しなかったSKYACTIV-Xの技術

 同じくマツダがMAZDA3などに搭載するSKYACTIV-Xも個性的。もうマツダは個性派エンジンのデパートです。

マツダ MAZDA3(2020年)…SKYACTIV-X搭載のMAZDA3やCX-30も個性派

 ガソリンエンジンをディーゼルのように圧縮着火させるこの技術は世界中の自動車メーカーのエンジニアが研究し、成しえていない技術。

 初めて試乗した時、「ある回転域だけHCCI(予混合圧縮着火)を行っているのだろう」と高を括っていたのだが、実際には非常に広い回転域でHCCIを行っていたことに驚いた。

次ページは : ■「個性的」というよりも「優秀」 スバルの水平対向ボクサーエンジン