ランクルプラド、ジムニー…残価率の高い「値落ちしにくいクルマ」 5選

 新車と中古車で最も異なる点は、人気が価格に影響することだ。新車では人気が高いクルマは納車までの期間が長くなることはあっても、値引き額が少なくなることはある、車両本体価格が高くなるということはない。

 しかし、中古車の場合、同じカテゴリーで人気の高いクルマと人気薄のクルマでは新車価格がほぼ同じであったとしても、販売価格に大きな影響が出る。これが人気という不確定要素が中古車の価格に影響を与えている表れなのだ。

 この中古車の価格決定のメカニズムは需要と供給のバランスによって変動する、株式のようなもの。

 特に生産終了した絶版車は市場に出回る中古車の絶対量が限られてしまう。すなわち供給量が決まっているものに、多くの人が欲しい!と言えば、オークションのように価格が高騰していってしまうのだ。

 中古車は現在オークションでの価格が下取りや買取の基準価格となる。したがってオークション価格が高いクルマは下取りや買取価格が高くなる。これが中古車の人気の高さを測るバロメーターなのだ。

文:萩原文博、写真:トヨタ、日産、ホンダ、スバル、スズキ

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クルマの価値を示す「残価率」は車種によって大きく異なる

 クルマそのもの価値というのは、本来は「残価率」というもので表される。
現在は廃止された自動車取得税を計算するときに用いられる数字だが、自家用の普通車・小型車の場合1年で0.681、2年では0.464、3年で0.316そして6年で0.1となる。

 一方、軽自動車の場合は、1年で0.562、3年では0.133そして4年で0.1となっているのだ。

 ちょっと荒っぽい言い方をすれば、クルマそのものの価値はナンバーを付けて1年経つと68.1%、軽自動車ならば56.2%の価値しかなくなり、この数字をベースに査定価格が決まっている。

 しかし、人気のあるクルマの場合、この数値を大きく上回り、ユーザーは手放す時に「本当にこのクルマを購入して良かった!」という歓びを噛みしめられるのである。

 当然、高い査定価格になれば、次のクルマの購入資金になり、乗り替えもスムーズになるのは言うまでもない。

 そこで、今回は各カテゴリーの中から、残価率の高い「値落ちしにくいクルマ」5車種をピックアップした。所有しているときだけでなく、手放す時にも満足度の高いクルマを紹介しよう。

ランクルプラドは5年落ちでも残価率50%越え!

現行型ランドクルーザープラドは2009年に登場し、すでに11年も販売している。安定した人気を誇っている

 まずは、人気上昇中のカテゴリーであるSUVの中から、値落ちしないクルマとして取り上げるのは、トヨタ ランドクルーザープラドだ。

 現行モデルは2009年に登場し、すでに11年も販売されているロングセラーモデルにも関わらず安定した人気を誇っている。その人気はもちろん買取価格にも反映されている。

 ディーゼルエンジンを搭載した最上級グレードの「TZ-G」は、現在の新車価格は553万円。3年落ちの2017年式の買取価格が343万円で残価率約62%、そして5年落ちとなる2015年式の買取価格は293万円で、残価率は約52.9%となっている。

ランドクルーザープラド/3年落ち残価率:約62%、5年落ち残価率:約52.9%

 なんと、現行型ランドクルーザープラド「TZ-G」は、走行距離が延びていたり、大きな修理をしていなければ、5年間も満喫しても、手放す時に新車時の50%の金額が手元に戻ってくるのだ。

 11年というロングセラーモデルながら、この残価率は驚異的。2021年にモデルチェンジの噂もあるが、この高い残価率は変わらないだろう。

GT-Rは3年落ちがランクル凌ぐ残価率65%

GT-R2020年モデルの新車価格はすべて1000万円を超えている

 続いてはスポーツカーの中から、日産 GT-Rをピックアップする。GT-Rも2007年10月に登場して、早くも13年が経過した。

 年月を重ねるとともに、進化を遂げており現在の新車価格はすべて1000万円を超えている。その中で最も売れ筋のプレミアムエディションの買取価格をチェックした。

 「プレミアムセディション」の現在の新車価格は1232万9900円。3年落ちの2017年モデルの買取価格は804万円で、残価率は約65%とランドクルーザープラドを凌ぐ高さを誇る。

GT-R/3年落ち残価率:約65%、5年落ち残価率:約48.4%

 そして5年落ちの2015年モデルの買取価格は、2017年モデルでの大幅改良による影響を受けているようで597万円、残価率は約48.4%と50%をやや下回る結果となった。

 スポーツカーは熟成が進んで性能がアップすると、それ以前のモデルは下落傾向となることが多くGT-Rもその傾向が当てはまっているのだ。

 しかし、5年落ちでまだ半額近い価値があるというのはさすが日本の誇るスーパーカーだ。

S660も3年落ちなら残価率50%超

 続いては、2015年3月に登場した際に、受注が殺到し納車まで1年掛かるという大ヒットモデルとなった軽オープンカーのS660。

2020年にマイナーチェンジしたS660

 2020年1月に初のマイナーチェンジを行ったが、外観デザインの変更は小規模に留まったため、マイナーチェンジの影響はどれくらいあるのだろうか。主力グレードのαの新車価格は232万1000円と軽自動車の中でトップクラスの高額車だ。

 このS660の2017年式の買取価格は122万円で残価率は約52.5%。やはり軽オープンカーという特殊性もあり、ランドクルーザープラドや、GT-Rよりは低くなっているが、それでも50%超えという高い残価率を示した。

S660/3年落ち残価率:約52.5%、5年落ち残価率:約43.5%

 そして5年落ちの2015年式の買取価格は101万円で残価率は約43.5%となり、残価率の落ち方が緩やかになっている。これは2020年に行ったマイナーチェンジの影響が高年式のほうが大きくなっていると考えられる。

セダン不振を吹き飛ばす残価率を出したWRX S4

 続いては、現在となっては数少なくなったスポーティセダンのスバルWRX S4。MT車しか設定されていなかった硬派モデルのWRX STIは残念ながら2019年に生産終了となり、スバルのスポーツモデルの頂点となったのがこのWRX S4だ。

WRX S4/3年落ち残価率:約58.8%、5年落ち残価率:約43%

 買取価格を算出したのは、現在は絶版となっている「GT-Sアイサイト」で新車時価格は380万6000円だった。

 この「GT-Sアイサイト」で2017年式の買取価格は224万円。残価率は58.8%とセダン不振を吹き飛ばすような高い残価率を叩き出した。

 そして5年落ち2015年式は167万円という買取価格で、残価率は43%と3年落ちからの下がり幅は大きいが、一般的なクルマで考えたら43%は高い残価率と言える。

 最高出力300psを発生する2L水平対向4気筒ターボエンジン搭載車は今後貴重な存在になるはずなので、これから購入しても高い残価率はキープしそうだ。

驚異の残価率をマークするジムニー

 そして最後に取り上げるのはスズキ ジムニー。実はジムニーは数ある車種の中でもポルシェ911と並んで、値落ちしないクルマと言われているのだ。

ジムニー/3年落ち残価率:約63.8%、5年落ち残価率:約51.2%

 今回買取価格をチェックしたのは、1999年に登場した旧型ジムニー。世代交代しているので、残価率は気になるところだ。グレードは特別仕様車として登場し、最終的にはカタログモデルとなった「ランドベンチャー」の5速MT車。

 新車時価格は158万円だったモデルだが、3年落ち2017年式の買取価格は約101万円で残価率は約63.8%というランドクルーザープラドを上回る高い残価率となった。そして5年落ちの2015年式の買取価格は81万円で、残価率は約51.2%という結果に。

ジムニーは、2018年に世代交代したにも関わらず、高い残価率をもつ。現行型ジムニーも旧型と同様の数値もしくはそれ以上の残価率を示す可能性がある

 ジムニーは世代交代しているにも関わらずこの高い残価率は驚異的としか言い様がない。もちろん爆発的な人気となっている現行型ジムニーはこの数値と同じもしくはそれ以上の残価率を示す可能性は高い。

 ポルシェ911は水冷になって値落ちしにくいクルマ伝説は薄れたが、ジムニーは健在だった。

 新車を購入する場合は、やはり人気の高いクルマを購入したほうが、リセールバリューが高くなる傾向はある。しかし、3年後、5年後の人気は変わっている可能性も高いことはお忘れなく。

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