トヨタの真の狙いを解説「KINTO」で得する限られた人


保険の等級によっては支払総額が高くなるケースも

 その半面、KINTOで保険を使わない無事故の期間が長くなっても、自分の等級は高められない。自分自身で任意保険に加入すれば、無事故の実績が評価されて等級が高まり、任意保険料は下がっていくがKINTOは対象外だ。

 若い時だけKINTOでクルマを使い、その後はクルマを所有しないなら保険料は割高にならないが、長期間で捉えるとKINTOが割安とは限らない。

 無事故の期間が続いて任意保険が20等級まで高まり、運転者も本人と配偶者のみに限定した場合、ヤリスクロス2WD・1.5Gの1年間の任意保険料は、安いコースになると約3万円、3年間で9万円程度まで抑えられる。

 そこに3年間の残価設定ローンに費やす税金なども含めた157万円を加えると166万円だ。KINTOを使う160万3800円に近付く。

ホンダは中古車でホンダマンスリーオーナーという名称のサブスクリプションサービスを展開していて、エリアを拡大中

 さらに現金で購入して3年後に手放す場合、残価設定ローンの残価率から判断すると、車両価格が202万円のヤリスクロス2WD・1.5Gなら3年後に105万円で売却できる。人気車とあってリセールバリューも高い。

 そうなると3年間に価値が下がる金額は97万円だ。そこに税金、自賠責保険料、諸費用、メンテナンスパックなどの28万円と、先に挙げた任意保険料の9万円を加えれば総額134万円になる。KINTOの160万3800円に比べると約26万円安い。

 以上のように現金購入に勝る安さはないが、KINTOも力を入れるサービスとあって相当に割安だ。定額制だから月々の出費にも変動がなく、予算を設定しやすい。

サブスクリプションの利用はする際は損得勘定の吟味が必要

WRCのホモロゲ取得のためのコンペティションカーのGRヤリスもKINTO ONEの対象となっているのは意外。月額7万9200円から利用可能

 KINTOからもわかるとおり、サブスクリプションサービスを選ぶ時に注意したいのは、任意保険料を含むか否かで損得勘定が大きく変わることだ。

 今は中古車も含めて、各メーカーがサブスクリプションサービスに参入しているが、任意保険の加入まで含めて出費の総額を比べることが大切になる。

 KINTOはトヨタが力を入れるだけに、GRヤリスも対象に含まれる。多く利用される車種は、ヤリスクロス、ライズ、ハリアーなどの人気車が多い。「任意保険料などが高いから、クルマを持ちにくい」と考える推奨度の高いユーザーを中心に、利用者を少しずつ増やしていくだろう。

 今後の見通しとして気掛かりなのは、料金の変動だ。

 KINTOの任意保険は、トヨタと自動運転技術開発などで業務提携を結ぶ東京海上日動火災が受け持つ。KINTOの任意保険も業務提携の一環と考えられるが、それにしても、全年齢補償の任意保険に加入する割に利用料金が格段に安い。

 今後の保険金支出次第では、損失が生じて、KINTOの料金に影響を与える可能性もある。

 現時点の割安感が今後も継続するとは限らないので、KINTOを利用する時には、その度に残価設定ローンや現金購入と出費を比べる必要がある。ほかのサブスクリプションサービスも同様だ。

新たにKINTO ONEの対象となったランドクルーザープラド。長く乗るなら、サブスクよりも購入がお得。3~5年で乗り替えるなら、サブスクのメリットも出てくる

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