レヴォーグ、T-Roc…スポーツカー顔負けの走行性能を持つ非スポーツカーたち

マツダCX-5

価格:342万1000~365万2000円(2.5Lターボ)

マツダのミドルクラスSUVで販売も好調なCX-5には、ガソリンエンジンが3種類、クリーンディーゼルが1種類の合計4つのエンジンをラインナップ
マツダのミドルクラスSUVで販売も好調なCX-5には、ガソリンエンジンが3種類、クリーンディーゼルが1種類の合計4つのエンジンをラインナップ

 今回取り上げるマツダCX-5はミドルクラスSUVなのだが、3列シートモデルのCX-8が登場した今では、全長4545×全幅1840×全高1690mmのボディは、全幅はあるが全長が短いので運転していて非常にコンパクトに感じる。

 CX-5には2L、2.5L、2.2Lクリーンディーゼルに加え、2.5Lターボが追加され、合計4種類のエンジンをラインナップ。今のご時世、1車種に4種類のエンジンというのは非常に珍しい。

 その中でスポーツカー的と言えば、2.5Lターボにとどめを刺す。

 マツダのエンジンは昔からパンチがありながら高回転での気持ちよさも好演出している。

2018年に追加されたSKYACTIV-2.5Tは2.5L、直4DOHCターボで、230PS/42.8kgmのスペック。暴力的なまでの加速感が魅力
2018年に追加されたSKYACTIV-2.5Tは2.5L、直4DOHCターボで、230PS/42.8kgmのスペック。暴力的なまでの加速感が魅力

 エンジンそのものだけでなく補機類やトランスミッションで工夫しているのが特徴だが、CX-5に搭載されている2.5Lターボは、エンジン単体で真っ向勝負している。

 2.2Lのクリーンディーゼルは低速からのビッグトルクにより実用域での優れた加速性能を実現。有り余る余裕のトルクが魅力だが、高速でグイグイ加速するというタイプではない。

 それに対し2.5Lターボ搭載モデルは、踏んだら踏んだだけ加速する気持ちのいいフィーリングが魅力。その加速感は暴力的でもあるから凄い。

 この2.5LターボはCX-8にも搭載されているが、車重が増えることもあって、CX-5ほどの気持ちよさはない。

 現在のターボエンジンはどれもがジェントルでおとなしいフィーリングになっているのとは対照的。こんな尖ったフィーリングのエンジンは今後出てこず最後になるのではないだろうか。そういった意味で貴重種だ。

 このエンジンはかなり面白いです。

現代のターボエンジンがジェントルなフィーリングになっているのとは対照的にCX-5の2.5Lターボは非常にメリハリがあって、盛り上がるトルクが強烈
現代のターボエンジンがジェントルなフィーリングになっているのとは対照的にCX-5の2.5Lターボは非常にメリハリがあって、盛り上がるトルクが強烈

 そして、元気なエンジンが堪能できるサスペンションセッティングが施されていて、ハンドリングもしっかりしている。

 スポーツカーのように気ままに突っ走っていく気持ちよさがあると同時に、SUVということでアイポイントが高いため、見下ろして運転する快感もある。

 2.5Lターボを搭載したCX-5は相当オモシロい。

スバルレヴォーグ

価格:310万2000~409万2000円

新型レヴォーグは、旧型レヴォーグに比べて足回りが非常に柔らかくなっているが、ハンドリング、乗り味は紛れもなくスポーツカー的だ
新型レヴォーグは、旧型レヴォーグに比べて足回りが非常に柔らかくなっているが、ハンドリング、乗り味は紛れもなくスポーツカー的だ

 新型レヴォーグには新開発の1.8Lターボが搭載された。デビュー時点でのエンジンはこの1.8Lターボのみ。

 この1.8Lターボはそれほどパワーがあるわけではないため、パフォーマンス的にはスポーツカー的ではない。

 しかし、乗り味、ハンドリングについてはスポーツカーをも凌駕するレベルの仕上がりとなっている。実際にクォリティという点では、従来のレヴォーグに比べて2クラスくらいアップしている。

スバルグローバルプラットフォーム×フルインナーフレーム構造の採用により、新型レヴォーグのボディのしっかり感は凄い。これが走りにも好影響
スバルグローバルプラットフォーム×フルインナーフレーム構造の採用により、新型レヴォーグのボディのしっかり感は凄い。これが走りにも好影響

 ボクはボディ剛性そのものは重視していない。素材が鉄である以上、どうしても曲がる感じがあるからだ。しかし、新型レヴォーグについては、インナープラットフォームの採用によりボディが曲がる感じがまったくしない。このしっかり感はすばらしい。

 そして足回りについては、ちゃんとストロークさせて曲がりましょう、ということを徹底している。

 旧世代の人間の場合、スポーツカーの足はガチガチで、柔らかいアシはスポーツじゃないという感覚が根強く残っている。その考えの元で作られた国産スポーツカーもたくさん存在した。

新型レヴォーグほど柔らかくしなやかなサスペンションの日本車は存在しなかった。柔らかい=スポーティではないというのは過去の話
新型レヴォーグほど柔らかくしなやかなサスペンションの日本車は存在しなかった。柔らかい=スポーティではないというのは過去の話

 しかし、現在のスポーツカーはストロークさせるのが常識となっている。その最たるものがF1マシンで、昔と違いストローク量はケタ違いなのだ。

 レヴォーグはコーナリング時にスムーズにロールしてしなやかに曲がっていく。こんなしなやかなアシの日本車は初めてだ。

 これまでにも乗り心地を重視した柔らかいだけのアシのクルマはあったが、レヴォーグはそれらとは一線を画す。

 硬いからダメなことはあっても、柔らかいからダメということはない、というのがボクの持論で、柔らかいクルマはコーナリング中に切り足しがきくというメリットもある。

 スポーツカーでもレーシングマシンでも速く走る、気持ちよく走るためにはタイヤをしっかりと使い切ることが重要になる。

タイヤが常に最適なグリップを確保し、その変化が少ないため、ウェットなどの低μ路でも安心して走ることができるのは大きな魅力
タイヤが常に最適なグリップを確保し、その変化が少ないため、ウェットなどの低μ路でも安心して走ることができるのは大きな魅力

 アシが硬いとタイヤが跳ねてしまうのに対し、柔らかいアシではタイヤを路面に押し付けることができる。

 新型レヴォーグは、デコボコな路面でもアシがしっかりと動くので、グリップを変化させずにコーナリングすることができる。

 新型レヴォーグは新世代のスポーツカーのハンドリング、乗り味を持っていると言えるだろう。

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