19997年12月に世界初の量産ハイブリッドカーとしてトヨタプリウスが登場。そのトヨタに対し果敢に挑んだのはホンダで、現在はダイハツを除き、オリジナルハイブリッドカーをラインナップしている。
いっぽう、欧州メーカーはハイブリッドに生還し背を見せていたが、マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッドを積極的に市販化。
クルマの技術は、先鞭をつけたメーカーを後発メーカーが抜くというケースが多々見られる。技術とは後発が有利なケースも多い。
そこで気になるのは、ハイブリッドカーのパイオニアであるトヨタのハイブリッド技術は、いまだに世界一なのかということだ。
その疑問に対し、国沢光宏氏が考察する。
文/国沢光宏、写真/TOYOTA、NISSAN、平野学
【画像ギャラリー】初めて市販したのはプリウスじゃない!? トピックで綴るトヨタのハイブリッドの歴史
グローバルでの本格ハイブリッド販売はトヨタの独占状態
2021年から一段と厳しくなるヨーロッパのCAFE規制(企業平均燃費)をクリアしようとすれば、燃費のいい本格的なハイブリッドが必要になってくる。2020年施行の日本CAFEも本格的なハイブリッドをたくさん売らないとクリアできない。
そして中国まで2035年には販売台数の半分を本格的なハイブリッドにしろという規制です。
また、ここにきてヨーロッパでは48Vバッテリーを使うマイルドハイブリッドが急増しているけれど、このタイプじゃ燃費低減効果少なくダメ。
かといって本格的なハイブリッドを開発しようとしても時間的に間に合わない。ヨーロッパのメーカーはマイルドハイブリッドで時間稼ぎをしながら電気自動車に移行としようとしているようだ。
ということで本格的なハイブリッドをラインアップしているのは日本勢だけとなる。
中でも圧倒的な強さを発揮しているのがトヨタです。
ヨーロッパの販売台数を調べてみると、本格的なハイブリッドはトヨタばかり! アメリカも同じ状況。日本で好調な日産e-POWERは販売していないし、ホンダもほとんど売れていない。
トヨタのハイブリッドが盤石な4つの理由
トヨタのハイブリッド、今度どうなるだろうか? 結論から書くと、おそらくガソリンを使うクルマとしては最後まで残るんじゃないかと考えます。
なぜか。最大の理由として挙げたいのが圧倒的な燃費だ。トヨタ式のハイブリッド、1997年にデビューして以来、燃費で誰にも追いつかれていない。そればかりか進化している。
最新世代のハイブリッドであるRAV4やヤリスを見ると、1600kg以上の重いボディながら実用燃費で20km/L! ヤリスのようなコンパクトなクルマであれば限りなく30km/Lに近い燃費だったりする。
RAV4やヤリスのハイブリッドの燃費、高速燃費を含めディーゼルよりいいのだから驚く。市街地なら圧倒的だ。
2つ目が性能。最新世代のハイブリッドは性能面で大きく向上している。
RAV4のハイブリッド、0~100km/h加速8秒。3000ccクラスのガソリンエンジン搭載車に匹敵します。アクセル踏んだ時の追い越し加速や、絶対的な最高速も高くなった。
折しも世界的に高速道路の移動速度は低下傾向。トヨタのハイブリッドで十分通用する。
3つ目に価格。大量生産することにより、今やトヨタのハイブリッドは製造コストで皆さん考える以上にリーズナブル。トヨタ自ら最初のハイブリッドの4分の1以下のコストになっていると公表してます。
その割に普通エンジンとの価格差が縮まっていないので、けっこう利益も上がっているということ。今の価格レベルで十分儲かるのだった。
4つ目は信頼性を挙げておきたい。48Vのマイルドハイブリッド、おそらく電池交換が必要になると思う。高価なリチウムイオン電池を使うため現時点で10万円近い(数年後に値下がりする?)。
トヨタのハイブリッドといえば、「基本的に無交換でOK」という実績を持つ。15年&20万kmくらいなら普通に使えてしまう。
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