知ると保険なしで運転できない!! 事故した時の驚きの物損賠償額

 ドライバーにとって事故はNGワードだ。

 起こるべくして発生した事故もあれば、もらい事故や、不運が重なったことによる事故など、形態、要因はさまざまあるが、どんなに注意しようが、事故を回避することは100%不可能に近い。

 ただし、事故を回避することや未然に防ぐことはできるし、無事故のままで運転を続けている人は多いため、絶対起こるというものでもない。

 本企画では、クルマを運転中に不運にも事故を起こし、それによって道路施設などの物損が発生した場合の、賠償額について考察していく。

文/ベストカー編集部、写真/平野学、ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部、Adobe Stock

【画像ギャラリー】賠償金の上限がないものもある!? 対物賠償をしっかりとチェック!!


対物賠償額は年間6000円億円オーバー!!

一般道よりも高速道路で事故をした時のほうが、対物賠償金額も高くなる。1年間に支払われる対物賠償金額の半分以上が乗用車のもの

 損害保険料率算出機構が公表している『自動車保険の概況』(2019年度・2019年度統計)によると、任意の自動車保険の対物賠償保障により保険金が支払われた事故件数は、約554万件で、その事故に対する対物賠償額は、約6966億円にもなる。

 上記の数字は、自家用乗用車、営業用乗用車、貨物車、バス、2輪車などすべてを含んだもので、そのうち自家用乗用車は約108万件/約3289億円、軽乗用車は約58万件/約1691億円で、対多数を占めているのがわかる。

 数字を見ると金額が大きすぎてあまりピンとこないかもしれないが、自家用乗用車のケースでは、平均すると1件の事故あたり約30万円が支払われている計算だ。

 この対物賠償というのが、事故によって壊れた道路標識、信号機、ガードレール、標識、電柱、バス停、家の外壁などすべてのものを修復するための金額に当てられている。

 自動車保険の概況によって発表されている数字は、保険を使ったもののみだ。自損事故をしてもそのまま立ち去ったりするケースは含まれていない。

 ちなみにあまり知られていないが、自損事故を起こした時は報告義務があり、道路施設などに被害を与えたにもかかわらず報告せずに立ち去った場合は、道路交通法違反となり、3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金の対象となることをお忘れなく。

 では、具体的に道路施設などを壊した場合の賠償額について具体的に見ていく。

出典:『自動車保険の概況』(2019年度・2019年度統計)

ガードレール:1万円前後/1mあたり

 事故を起こした時にがけ下に転落しないようにとか、歩道に飛び出さないようになどの被害を軽減してくれる役目のガードレールは、事故の時に損傷を与えやすい。

 ガードレールが1mあたり1万円前後と聞くと意外に安く感じるかもしれないが、当たったのが数メートルにもなれば、そのぶん高くなる。

 そして上記はクルマで言うところのパーツ代であって、作業工賃は別途となる。支柱の交換が必要となれば、道路を掘り起こす必要が出るためさらに高額になる。

 極端な話、ガードレールを1m壊そうが、10m壊そうが、人員や工事車両、交通誘導員などの手配となれば、すぐに20万~30万円になってしまう。

 昔からガードレールと言えば白い板状のものだったが、特に住宅街や観光地などでは、塗装されたオシャレなタイプも出てきている。価格についての詳細はわからないが、白いガードレールより高価なのは明らかだ。

写真上の旧来のガードレールが1mあたり1万円前後となる。住宅街、観光地などで見かける新タイプのガードレールはもっと高価

標識・カーブミラー:約4万円

 標識にはいろいろなタイプがあるが、日本の道路には約1000万枚の標識が接地されているという(内閣白書)。道路を走っていれば、数メートルおきに何らかの標識がある。

 この標識は、支柱のないものもあるが、基本的には支柱があって、1枚単独または複数の標識がセットされている。

 この標識自体は1枚約4万円ということだが、ガードレール同様に、支柱を折ってしまって掘り起こす必要が出れば、たちまち20万~30万円コースとなる。

 支柱にミラーが装着されたカーブミラーについての価格は、ほぼ標識と同じ4万円程度となっている。

標識とカーブミラーがセットで設置されているところも少なくない。各々約4万円だが、設置工事の費用は程度にもよるがその5倍にもなる

信号機:10万~300万円以上

 世界でも信号機の多い国として有名な日本は、全国で約20万を超える信号機が接地されているという。

 この信号機は昔に比べてコストダウンしているようで、歩行者用の2灯タイプの信号機なら10万円程度と言われている。

 メインの信号では、ひと口にLEDタイプと言っても機能もいろいろあり、20万円前後~50万円前後と価格の幅が広くなっている。

 実際の事故で信号機を壊す、というケースは珍しい。支柱をなぎ倒し、信号機が転落して壊れるというケースは考えらえるが……。

 信号の場合、怖いのが本体よりも制御系だ。制御機を備えている信号を壊した場合、一気に賠償額が跳ね上がり、300万円以上となることもあるようなのだ。

日本は数多くの信号が接地されている。信号そのものを壊すよりも制御機を壊すケースが多く、その場合は300万円ほどを覚悟

街路樹:数万円~

 道路施設というわけではないが、街路樹はいたるところに植えられている。事故をして街路樹を倒壊させてしまった、という話もよく耳にする。

 この街路樹については、工業製品と違って規格があるわけでもないし、同じものがひとつとしてないが、公的な街路樹の場合は、同様の種類を植えることで対処可能なので、数万円程度で収まるケースが多い。ただしこの場合も人件費、作業費が上乗せされる。

 問題は個人所有の樹木の場合。公的な街路樹などと違い、賠償額は一気に高くなる可能性が強い。

 ある意味価格にできないものでもあるため、保険会社の話では、個人宅の樹木をなぎ倒して、その賠償金額が数百万円になったというケースもあるという。

街路樹は相場というものが存在しないが、公的なものに比べて個人所有の樹木の場合は賠償額が青天井になる可能性も高い

自動販売機:100万円前後~

 道路沿いに数多くあるものと言えば、自動販売機も忘れてはいけない存在だろう。街道沿いなどは数mおきに設置されていることも珍しくない。

 事故した時に不運にも自動販売機に突っ込んで壊した場合はどうなるのか?

 自動販売機は、民家においていようが所有権はメーカーにあるため、メーカーに損害賠償を支払わなければいけない。

 その自動販売機の価格は、24本入れタイプのもので80万円前後と言われているが、液晶モニターを装着したハイテク系などは200万円オーバーのものもあるという。

 そして、設置する場合、転倒防止などけっこう作業が大変なこともあり、設置にかかる作業工賃が20万円程度にもなると言われている。

自動販売機は本数が増えるなど、豪華になればなるほど高くなる。今では200万円オーバーのハイテク機も登場している(BOOCYS-stock.adobe.com)

まとめ

 道路施設を中心に、事故をした場合にいつ壊してもおかしくないものの賠償額について見てきたが、ここまで見ると、任意保険の対物に入らずに運転することがどれだけ恐ろしいことかわかったはず。

 ちょっと自損事故を起こしただけでも、自腹で支払うことは難しいレベルになる。

 運転するなら、任意保険は必須です。

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