時代の徒花か豊かさの証か スポーツカーとはいえないFFクーペ 5選

時代の徒花か豊かさの証か スポーツカーとはいえないFFクーペ 5選

 クルマ界においてクーペはいつの時代も華やかだ。デートカーやスペシャルティカーの名前で呼ばれることもあるとおり、ほかのどんなカテゴリーのクルマよりもパーソナル性が強い。

 日本車もいろいろなクーペが誕生しては消滅してきているが、誰にでも購入できる価格の手頃なサイズのクーペというのは今の日本車のラインナップには皆無だ。強いて挙げれば86/BRZということになるが、かなり趣味性が強くなる。

 その点かつての日本には、手頃なクーペがいろいろと存在した。クルマ文化は成熟していなかったかもしれないが、ある意味、豊かさの象徴とも言えるだろう。

 本企画では、アンダー2LかつFFの手頃感満点のクーペモデルを集めてみた。

文/ベストカー編集部、写真/TOYOTA、NISSAN、MITSUBISHI、SUBARU、ISUZU

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トヨタサイノス

販売期間:1991~1995年(初代)、1995~1999年(2代目)

日産NXクーペのヒットにより、小さなクーペ市場が活性化したことでトヨタが投入したのが初代サイノス。エンジンは1.5Lのみの設定
日産NXクーペのヒットにより、小さなクーペ市場が活性化したことでトヨタが投入したのが初代サイノス。エンジンは1.5Lのみの設定

 サイノスはコンパクトカーのターセル/コルサ/カローラIIをベースにスペシャルティ色の強いスポーティなデザインが与えられた2ドアクーペだ。それゆえ、全長4415×全幅1645×全高1295mmというコンパクトで扱いやすいサイズになっているのが魅力だ。

 元々はアメリカの女性向けのセクレタリーカーとして開発されたが、日本では圧倒的に男性ユーザーが多かった。

 サイノスは初代、2代目と2世代にわたり販売された。エンジンは初代が1.5Lのみだったが、2代目は1.3Lが加わった。この1.3Lモデルは4MT/3MTと少々チープだったが、そのぶん安く、新車価格は104万1000円からとお手頃。

 初代、2代目とも決して速くはないが、街中を爽快に走ることができ、2代目には4シーターコンバーチブルも設定されていた。手軽にオープンエアを満喫でき、1.3Lなら161万5000円で手に入れることができた。

 ヤリスベースのクーペを見てみたいと切に思う。 

初代よりも洗練されたデザインが与えられた2代目。1.3Lエンジンを追加して、買い得感をアピール。ヤリスベースでの復活に期待したい
初代よりも洗練されたデザインが与えられた2代目。1.3Lエンジンを追加して、買い得感をアピール。ヤリスベースでの復活に期待したい

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