■4代目 Z32
そして時代はバブル好景気に支えられた1980年代後半。1989年7月10日に登場した4代目Z32型は、その印象的なフロントマスクと低くワイドなプロポーションが革新的だった。901活動から生まれた前後マルチリンクサスのシャシー性能も高く、ハンドリング性能も当時の国産ライバルと比べ格段に進化した。
このZ32に搭載されたV6、3L DOHCツインターボ、VG30DETTは最高出力280psを発揮。国産車として初めて280psエンジンを搭載して発売開始されたモデルとなった。
この直前、同年5月に16年ぶりの復活を遂げたスカイラインGT-RのRB26DETTがやはり280psとされたのだが、発売開始は8月だったため、発売時期ではZ32が先なのだ。当初、日産はZとGT-Rともに300psとしたかったようだが、認可の問題で280psに落ち着いた。その後の「280ps規制」の始まりだ。
バブル景気の勢いもありZ32は国内で大ヒットしたし、米国での販売も好調だった。ベストカーでもこの当時、次々登場するハイパワーカーを集めた動力性能テストを頻繁に行っており、Zツインターボは最高速256.2km/hをマークするなど、トップクラスのパフォーマンスを見せつけた。
途中コンバーチブルを追加したり、改良をしながらZ32型は2000年8月まで11年にわたり販売されたが、次期型Zにバトンを渡すことなく、いったんフェアレディZの歴史に終止符が打たれた。
■5代目 Z33&6代目 Z34
2年間のブランクを経て2002年7月30日、5代目となるZ33型が発表された。現在のZ34型につながる新世代Zで、2001年に登場したV35スカイラインとプラットフォームをモジュラー化して開発されているのが特徴となる。
3.5L、V6 NAのVQ35DEはフロントミドに搭載される、いわゆるフロントミドシップ。2by2は廃止され、そのポジションはスカイラインクーペが担った。
VQ35DEエンジンは当初280ps/37.0kgm だったが、2005年9月の改良でMT仕様のみ294ps/35.7kgmへとパワーアップ。さらに2007年の一部改良で、V36スカイラインに搭載されるVQ35HRエンジンに変更され313ps/36.5kgmへとさらにパワーアップされた。
Z33にはさらに3.8Lに排気量を拡大したNISMOモデル『380RS』が限定販売されるなどして、2008年12月、現在も販売されるZ34型へと進化を遂げたのだ。
ホイールベースを100mm短縮したZ34は、336ps/37.2kgmを発揮するV6、3.7Lエンジンを搭載。先日、撮影のために久しぶりに乗ると、豪快なトルクと軽快なフットワークに、改めてZの楽しさ、魅力を再発見した。
そして、すでにプロトタイプが公開された次期型フェアレディZへの期待へとつながる。フェアレディZというクルマは、決して手の届かない高嶺の華ではなく、ちょっと頑張れば乗ることができる、憧れのクルマだと思う。次期型Zにも、大いに期待したい!
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