■2代目 S130型
1978年8月17日、フェアレディZは2代目へとモデルチェンジを実施した。時はまさに排ガス規制がますます厳しくなっており、L20Eエンジンは精彩を欠いた印象だった。
パフォーマンスを求めて、S130型には2.8Lに排気量アップされた280Zが設定されたのがトピックス。
エクステリアは初代S30型を踏襲しながら、全長4340mm、全幅1690mm、全高1295mm(2シーター)とひと回り大きくなり、インテリアの質感なども含めより豪華なGTカー的性格を強めた。
1980年にはTバールーフが初登場。Tバールーフはその後、Z31型、Z32型にも受け継がれ、フェアレディZの特徴にもなった。
よりスポーティな印象の初代S30に対し、最初から2by2がラインナップされるとともにTバールーフの設定などもあり、ラグジュアリースポーツとしての性格を強めたS130型は約5年間の販売期間で5万台以上を国内で販売。これは約9年間の販売期間の初代が6万台ということを考えると、倍近く売れたことになる。
1982年には待望の2Lターボ(L20E・T)を搭載する200Z-Tがラインナップに加わって、動力性能面でも”Zらしさ”が復活した。
■3代目 Z31型
ガラリとイメチェンを図ったのが1983年9月16日にデビューした3代目、Z31型だ。
ハイパフォーマンススポーツカーを目指したZ31型は、スラントしたロングノーズをより強調するかのように、ヘッドライトは格納時にもランプの一部が露出する、薄目を開けたような特徴的なリトラクタブルタイプとなった。
Z31型ではパワーユニットが一新されたのもトピックス。従来は直列6気筒のL型エンジンを搭載していたが、このZ31型ではV型6気筒のVGシリーズを搭載した。SOHCターボの2L(グロス170ps)と3L(グロス230ps)で、特に3Lターボは当時の国産車では圧倒的なハイパワーで、動力性能の高さでライバルを圧倒した。
この時期、日産には直6とV6のエンジンラインナップが並行していた。スカイライン(R31時代)には伝統的に直6エンジンが搭載されるいっぽう、セドリック/グロリア(Y30時代)はV6を搭載しており、Z31型は米国でのプレミアムイメージを重視してV6搭載へと舵を切ったといわれる。
ところが1985年10月、R31スカイラインに搭載されていた直6DOHCターボ、RB20DETのターボをセラミック化した新開発エンジンをZ31に搭載する。『200ZR』と名付けられた直6DOHC、2Lターボは、V6SOHC、2Lターボを搭載する『200ZX』 と併売され、2種類の2Lターボエンジンが選べる状態となった。
もっともこれは翌1986年10月のビッグチェンジ実施時に、VG20ET搭載モデル『200ZX』 が廃止されたことで、3LはV6、2Lは直6ということになる。
この1986年のビッグチェンジは文字どおり大規模なもので、ワイドフェンダー化された3Lモデルは左右ドアパネルとキャビン部以外の外販パネルや前後バンパーなどの樹脂パーツを変更。ヌメヌメとした流体的なエクステリアは、当時としては衝撃的だった。
この時、3L V6エンジンにNA、DOHC仕様(VG30DE)が加わった。3L SOHCターボ(195ps)は『300ZX』、一方NAの3L DOHC(190ps)は『300ZR』と名付けられた。
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