各社に明暗!? 新車にも「変化」 激動2020年の自動車界重大ニュース ベスト5

 コロナ禍、燃費規制強化、ホンダのF1撤退発表……激動の2020年の自動車界重大ニュースは?

 今年も残すところあと僅か。多くの人々にとって、本当に大変だったであろう1年は嵐のように過ぎ去ろうとしている。

 自動車界にとっても“いつも”とは異なる1年となったが、100年に1度の転換期といわれるなか、大きな変化がうねりのように起きた1年でもあった。

 2020年自動車業界の重大ニュース、5大トピックを振り返る。

文/国沢光宏、写真/トヨタ、ホンダ、スバル

【画像ギャラリー】2020年11月販売台数上位20位にランクインしたクルマたちをみる


【1】コロナ禍で新車販売激減! 自動車メーカーに甚大な影響

 今年最大の出来事と言えば100年に1度の厄災と言われている新型コロナ禍にほかならない。

 自動車業界に与えた影響は多岐にわたる。部品の流通問題により工場が止まったり、ディーラーの営業を続けられずクルマ売れなかったり、フェラーリが人口呼吸器を作ったり。

写真はハイエースベースでトヨタが開発した重症患者向け移送用車両。多くのメーカーがこうした移送車両などでコロナ対策支援をおこなった

 自動車メーカーの業績に与えたダメージは大きい。ほぼ全ての自動車メーカーの収益状況が悪化した。

 日産や三菱自動車などは、新型コロナ禍がなくても大きな赤字予想だったけれど、2019年度決算ですら過去最大規模の赤字。2020年度決算も、日産や三菱自動車、マツダなど赤字確実となってしまった。

 一方、新型コロナ禍のダメージを最小限に押さえ込み、さらに早い業績回復を果たしつつあるトヨタのようなメーカーも。逆境に強いメーカーのあり方を考えさせられました。

 2021年も新型コロナ禍による影響は避けられないだろう。そんななかでも業績を回復していかなければならない。経営陣の実力やいかに?

【2】各国で脱エンジン車鮮明に! 日本も2030年代半ばに電動化目標

2020年10月に発売開始したホンダ量産車初のEV、ホンダe。(標準仕様:WLTCモード283km/アドバンス:WLTCモード259km)

 新型コロナ禍による経済停滞で、地球温暖化ガス排出量削減問題にブレーキ掛かると思いきや、そんなことまったくありませんでした!

 実際、カーボンフリーを目指そうとすれば新しい発電インフラに始まり、自動車の電動化や燃費改善など投資が必要なことばかり。新型コロナ禍により延期になるかと思いきや。むしろ世界的な規模で電気自動車化を宣言する国や地域続出!

 すでにヨーロッパは、ほとんどの国がエンジン車の販売禁止日時を決めていたけれど、さらに中国も2030年時点で電気自動車50%。ハイブリッド50%という販売割合を決定。アメリカのカリフォルニア州はエンジン車の販売禁止を決めている。

 遅まきながら我が国も2050年カーボンフリーを宣言。実質的に2030年代半ばには売っているクルマの大半を電気自動車にしなければならなくなった。

 それ以前に東京都は2030年に電気自動車かハイブリッド車しか登録できなくなります。世界に並んだ。

【3】ホンダ 来季をもってF1参戦終了を発表

写真はF1 70周年記念GPで今季初優勝を飾ったレッドブル・ホンダのフェルスタッペン。最終戦も優勝で締め、チャンピオンも見え始めたなか、来季は最後の1年を戦う

 モータースポーツではホンダのF1卒業が激震になった。今まで撤退するとなった場合も、あくまで業績悪化(前回はリーマンショック。その前はホンダの経営難)のため一時的な参戦休止という表明だったものの、今回一歩踏み込み「もうF1から卒業する」という(編注:ホンダ自身は「参戦終了」と表現)。

 ホンダにとってF1との決別=今後世界最速性能を目標とした技術競争をしないということになる。

 ホンダというブランド、F1参戦することによって確立されたと思う。そんなF1に出ないというのだから、ホンダの生い立ちをも否定することになってしまう。

 今後、F1のパワーユニットが燃料電池になったりすることも充分考えられるため、2度と出ないという判断はあまり正しくないような気がします。

 そんななか、2021年は久しぶりの日本人ドライバーがF1に出たり、ホンダのパワーユニットが上り調子になるなど、2021年はなかなか楽しめるシーズンになるかもしれない。

【4】燃費規制強化で国産車に大きな影響

 あまり大きな話題になっていないけれど、2020年から強化された企業別平均燃費基準(CAFÉ)に各社振り回された1年になった。

2020年7月で受注終了したスバルBRZ。同月、スバル全9車種の受注中止し、商品ラインナップを再編開始させた

 最も顕著なのはスバル。大きくて重い車種が多く、しかも2020年からの車種戦略を決めた人達の認識不足のためパワーユニットの省燃費化に遅れを取ってしまったから大変。

 今年は一時大半のモデルの新規受注を停止し、燃費改善しなければならなくなった。さらに燃費悪い2Lの高性能エンジンやBRZまで絶版を余儀なくされてしまう。

 マツダも厳しい。マツダ3を登場させたものの、アクセラ時代にラインナップされていた2.2Lディーゼルを搭載することがでないほど。

 日本だけでなくヨーロッパも2021年からCAFEを厳しくするため、やはりマツダは罰則金の支払いを避けるべく販売台数を絞らなければならない状況。来年からCAFEをクリアするため多くのメーカーが電動化をすすめていくことになるだろう。

【5】トヨタの“一人勝ち”鮮明に 販売上位を独占

 2020年にハッキリしてきたのが、自動車メーカーの優勝劣敗状況。今まですべての自動車メーカーがそれぞれのジャンルである程度の存在感を見せていた。

2020年11月販売台数首位を獲得したトヨタ ヤリス。ベスト15以内に11台ものトヨタ車がランクインしている

 しかし、今年の販売状況を見るとトヨタの一人勝ちになりつつある。11月の新車販売台数などベスト10の8台がトヨタ車。

 2台もフィットとフリードが8位と9位という状況。ベスト15に拡大しても、14位と15位にセレナとキックスが入ってくるだけで11台トヨタ車ということになる。

 しかもフィットもフリードも軽自動車と大差ない価格帯。トヨタを見ると利幅の大きいアルファードやハリアーなど上位に入ってます。さらにハイエースやプロボックスなど商用車になると圧倒的なシェアを持つ。

 トヨタが凄いという評価もできるけれど、トヨタ以外のメーカーの消極姿勢は外野から見ても心配になるほど。やる気ないように見えてしまう。2021年はさらに格差大きくなるか、はたまたトヨタを猛追するメーカーが出てくるのか?

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