謹賀新年! 2021年に起きる自動車界の5大注目トピック

11月から自動ブレーキの搭載義務化開始

段階的に義務化がはじまる自動ブレーキの要件。すでに高い普及率を誇るが、装着の義務付けによってさらに新しい時代へ(出典:国土交通省)
段階的に義務化がはじまる自動ブレーキの要件。すでに高い普及率を誇るが、装着の義務付けによってさらに新しい時代へ(出典:国土交通省)

 乗用車では2021年11月以降に発売される新車から自動ブレーキの搭載が義務づけられます。

 対象は、新車=すなわち2021年11月以降に発売される新規モデルかフルモデルチェンジ車となり、継続生産車への義務付けは2025年12月からとなるので、ひとまず「すでに販売されているクルマも義務化される」というわけではありませんが、そのインパクトは小さくありません。

 どのような自動ブレーキが義務化されるのか? 国土交通省が公開している保安基準を要約すると、

【1】試験車(40km/h)は、<静止車両に対して>衝突しないこと
【2】試験車(60km/h)は、<走行車両=20km/hに対して>衝突しないこと
【3】試験車(30km/h)は、<歩行者=5km/hの速度で横断、6歳児相当ダミーに対して>衝突しないこと

 という3つの項目が要件としてあげられています。

 しかし、例えばトヨタ カローラスポーツの自動ブレーキに関する説明を見ると、

「たとえば、歩行者との速度差が約40km/hの場合には、衝突回避または被害軽減をサポート。また、<中略>たとえば、停止車両に対し自車の速度が約50km/hの場合は、衝突回避または被害軽減をサポートします」(トヨタ公式HP)

 とあるように、すでに国産最新モデルの多くは、先にあげた要件を満たしている状況です。輸入車に関しては新車で2024年7月以降となっており、義務化は今後段階的に進められる予定となっています。

名門プレミオ生産終了 ホンダは軽トラ撤退

「農道のNSX」という異名も持ち、ファンから親しまれてきたホンダの軽トラ「アクティトラック」。同車の生産終了により、軽トラ市場は事実上、スズキ・ダイハツとそのOEM
「農道のNSX」という異名も持ち、ファンから親しまれてきたホンダの軽トラ「アクティトラック」。同車の生産終了により、軽トラ市場は事実上、スズキ・ダイハツとそのOEM

 2021年はまだ明けたばかりですが、すでにいくつかの名門国産車が、今年限りで姿を消すことが決まっています。

 まず大きいのは、トヨタのプレミオ/アリオンでしょう。トヨタは、昨年末の12月1日に、プレミオ・アリオン・プリウスαの3モデルについて「2021年3月末をもって生産終了いたします」と発表しました。生産終了車についてメーカーが事前にこのようなアナウンスをするケースは少なく異例です。

 プレミオは、1957年に誕生した「コロナ」の後継車。つまり、60年以上の歴史をもつ名門セダンが姿を消すことになります。

 また、ホンダは2021年6月をもって「アクティ トラック」の生産を終了すると発表しています。同車の後継車はなく、事実上1977年から44年続いたホンダの軽トラ事業が終焉を迎えることとなります。

 歴史あるクルマの消滅は寂しいものですが、クルマは絶えず進化するもの。その代わりに時代に合った新しいクルマが登場することを期待したいです。

欧州で燃費規制導入 電動化さらに加速へ

東京モーターショー2019で公開された日産アリア。4WDの90kWhバッテリー搭載車は、実に290kW、600Nmというハイパワー&大トルクを誇る
東京モーターショー2019で公開された日産アリア。4WDの90kWhバッテリー搭載車は、実に290kW、600Nmというハイパワー&大トルクを誇る

 欧州ではいよいよ2021年から企業別平均燃費基準(CAFE)が始まります。

 CAFEは、その名の通り企業別の平均燃費に関する環境規制。グローバル化が進むなか当然、日本市場の国産車も無関係というわけではなく、こうした規制は国際調和で、日本でもほぼ同じ基準を採るのが通例ですから、その影響は小さくないでしょう。

 昨年は日本でもスバルのBRZなどが生産終了するという動きがありましたが、今年は燃費規制と合わせてクルマの電動化がさらに進みそうな気配。

 実際、日産は今年、パワフルな電動SUVの「アリア」を発売予定で、マツダも年初に「MX-30」EV仕様を発売予定となっています。

 伝統的なクルマの価値観でいえば、やはりエンジン車の魅力には替え難いものがありますが、新しい価値観を持った楽しい電動車の誕生にも期待が高まります。

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