■太平洋戦争編
日本史上に残る奇襲戦とクルマたちの関連性。奥深い清水大石さんの考察に「うおおお!」と感心しっぱなしだが、奇襲戦は武将の世界だけにあらず。太平洋戦争にも、ある!
ババ ところで日本の奇襲戦というと、太平洋戦争での真珠湾攻撃を忘れることはできませんが……。
大石 あれは、まず特殊潜航艇の発進から始まったのを知っておるか。
ババ し、知りません!
大石 5隻の小型潜水艦が真珠湾に潜入し、魚雷を放った。クルマ界に例えれば、世界初の量産EV、三菱iミーブがこれに当たる。ただし5隻はすべて未帰還。iミーブの生産中止の噂もむべなるかな。
ババ なるほど! では、大成功した空母からの航空攻撃は、クルマでいうと?
大石 そちらは初代日産リーフであろう。当初は大戦果を挙げたが、その後は国力不足や作戦の誤りにより、尻すぼみの大敗北となった。アリアの投入は時すでに遅しかもしれぬ。ただ、ノートe-POWERの投入は、真珠湾攻撃と同時に行われたマレー作戦における、山下奉文の銀輪部隊を思わせる快挙であった。
ババ それ、何ですか?
大石 機動力を増すために、歩兵を自転車に乗せたのじゃ。手持ちの技術をうまく使い、大ヒットにつなげたのは、奇襲戦の成功例と言えよう……。
そこまで語ると、大石内蔵助は煙のように姿を消した。跡には、各社の古いカタログが落ちていたのであった……。
■世界の奇襲戦編 三大軍事天才が仕掛けた奇襲戦にもクルマ界が見える
世界史における「三大軍事天才」は誰か? 諸説あるが、カルタゴのハンニバル、フランスのナポレオン、そしてギリシャのアレキサンダー大王は外せないだろう。
この3人に共通しているのは、騎兵を縦横無尽に動かし、兵力差を跳ね返して勝利を重ねた点にある。
3人とも、騎兵による機動戦(奇襲)を得意中の得意とする、軍事的大天才だったのだ! ここではこの3人をクルマ界に例えてみよう。
●ハンニバルのローマ帝国攻め……。それはVWビートル(元祖)の大躍進だ
アフリカから運んだ象を含む大部隊を引き連れ、スペインからアルプスを越えてローマ帝国本国に侵入。勝利を重ねたハンニバルは、象みたいな形のビートルで世界的大ヒットを飛ばした、VWに通じるものがある!
●ナポレオンの大勝利……。それは、テスラの大躍進だ
ナポレオンも、雪のアルプスを越えてイタリアに奇襲的に攻め込み、オーストリア帝国に勝利、フランス皇帝にまで上り詰めた。
これは、不可能と思える数々の障害を乗り越えてEVを売りまくり、時価総額世界一に上りつめたテスラ社の、イーロン・マスクCEOに通じるものがある。
●アレキサンダー大王のインド遠征……。まさに、これはスズキのインド進出!
アレキサンダー大王はペルシャ、エジプトを征服し、大帝国を建設。ついにはインダス河を越え、得意の機動戦により、インドの“象部隊”をも撃破した。
そして、スズキの鈴木修会長は、日本の自動車業界の誰も目をつけなかったインド市場にいち早く進出し、インドをスズキ帝国にすることに成功した。
鈴木修会長こそ、クルマ界のアレキサンダー大王だ!
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敵方(相手)が「よもや」と痛感する戦が奇襲戦。それを思わせるクルマたちに民衆は感じ入り、そのクルマを買うこともある。まさに奇襲戦、成功の図、といえよう!
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