日産が欧州市場で販売しているクロスオーバーSUV「キャシュカイ」。2007年の初代モデルと、2014年の2代目モデルを合わせ、欧州で通算300万台以上を売り上げたキャシュカイは、欧州コンパクトSUVカテゴリにおいて、日産の名を一躍広めた功績を持つ、重要なブランドだ。
このキャシュカイの新型モデルに関する情報が、2021年1月15日に一部開示され、このなかで、新型キャシュカイには新しいe-POWERシステムが搭載されることが明らかとなっている。
「e-POWER」といえば、2020年12月に国内発売開始した新型ノートに「第2世代e-POWER」と呼ばれる新しいシステムが搭載され、話題となったが、新型キャシュカイでは、さらに改良が加えられているようだ。
しかしながら「e-POWERシステムは、高速走行が苦手」と言われている。日本よりも制限速度の高い欧州地域で、e-POWERの旨味が味わえるのか、と疑問に思う方もおられるだろう。
今回は、新型キャシュカイに搭載されるe-POWERシステムは、ヨーロッパで通用するのか、考察していこうと思う。
文/吉川賢一、写真/NISSAN
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■新型ノートの1.6倍の最大出力と、1.2倍の最大トルク
今回が欧州初登場となる、e-POWERシステムだが、新型キャシュカイに採用されるe-POWERシステムには、排気量1.5リッターの発電用ガソリンエンジン(新型ノートe-POWERは1.2リッター)が採用されている。
エンジン単体の最大出力は157psで、可変圧縮比対応のエンジン、とされて書いてあるが、このエンジンが北米アルティマやインフィニティQX50に搭載されているVCターボエンジンかは不明だ。
この大幅にアップグレードされた発電用ガソリンエンジンと、高出力インバータと高性能バッテリー、他の日産製EVと同等のサイズと出力をもつモーターによって、最終的には140kW(190ps)の高出力と、330Nmもの高トルクを達成している。
国内ノートは最終出力85kW(116ps)、最大トルク280Nmなので、新型キャシュカイのe-POWERは、なんとノートの1.6倍の最大出力と、1.2倍の最大トルクを得たことになる。
筆者は、新型ノート4WDに搭載されているシステム(排気量1.2リッターベースの第2世代e-POWERと、後輪に最高出力50kW/最大トルク100Nmの高出力モーターを加えた、システム最大出力135kW(184ps)/最大トルク380Nmのe-POWER 4WD)を、キャシュカイに流用する戦略と予想していた。
が、筆者の予想は見事に外れてしまった。(なかなかやるな!! 日産!!)
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