2030年度の新燃費基準で軽自動車はどうなるのか?

■軽自動車は別枠の燃費基準が必要かもしれない

2019年7月発売の現行型タント。次回のマイナーチェンジでフルハイブリッドが搭載されるという情報も
2019年7月発売の現行型タント。次回のマイナーチェンジでフルハイブリッドが搭載されるという情報も

 クルマはすべて高額商品で税金も高いが、公共交通機関が未発達な地域では、軽自動車が買い物、通勤、通院といった日常的に不可欠な移動に使われている。軽自動車に頼った生活を余儀なくされる高齢者も多く、ライフラインの役割を担う。軽自動車は小型/普通車とは本質的に異なり、福祉車両の一種と考えるべきだ。

 公共交通機関が未発達な地域で使われる軽自動車は、日常的な移動とあって走行距離が短いから、環境への負荷も小さい。コストと価格が過度に高くならないように、軽自動車に関しては燃費基準に別枠を設ける方法が考えられる。

 あるいは660ccという現状の排気量を見直して、燃費効率を向上させる方法もある。軽自動車の開発者からは「排気量を800cc前後に増やせば、エンジンの負荷が軽減されて、燃費にいい影響を与える」という話も聞かれる。

 ただし軽自動車の排気量を増やすと、増税とセットにされかねない。軽自動車がライフラインの役割を担う以上、さらなる増税は許されず、税額を据え置いて2030年度燃費基準の対応を目的に排気量を拡大する方法が考えられる。

 これらの複数の対策を組み合わせる方法が最も現実的だろう。マイルドハイブリッドを進化させてストロングハイブリッドの性能に近づけ、排気量も800cc前後に増やして高効率化を図り、なおかつ軽量化も実施する。

 それでもクリアするのが難しい場合は、燃費基準に別枠を設ける。2030年度燃費基準は、福祉の観点も踏まえ、軽自動車を優先させて制度を整えるべきだ。環境に優しくするために、ユーザーを困らせてはならない。

【画像ギャラリー】厳しい燃費基準で生き残れるか…? 今後の動向が気になるクルマたち

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