2030年度の新燃費基準で軽自動車はどうなるのか?


■ハイブリッドでも達成できない車種は多数

シエンタハイブリッドのWLTCモード燃費は14.8km/L。達成目標の18.1km/Lに届かず、今のままでは2030年度燃費基準をクリアできない

 そして2030年度燃費基準は、燃費の計測方法もWLTCモードに変わり、前述のとおり車両重量に対応する数値も全般的に高まる。小型/普通車で見ると、ハイブリッドでも達成できない車種が多い。

 例えばアルファード&ヴェルファイアハイブリッドXは、車両重量が2090kgだから、2030年度燃費基準を達成できるWLTCモード燃費は18.1km/Lだ。ところが実際の燃費数値は14.8km/Lに留まっているからクリアできない。燃費性能を22%向上させる必要がある。

 燃費がいいと思われるシエンタハイブリッドも達成できない。車両重量は1380kgだから、2030年度燃費基準を達成できるWLTCモード燃費は24.8km/Lだ。しかし実際の数値は22.8km/Lだから、9%の燃費向上が求められる。

 このように2030年度燃費基準は、ハイブリッド車でもクリアするのが難しく、モーター駆動を使わないノーマルエンジン車では一層困難だ。

 ちなみに東京都は「2030年までに新車として販売される車両のすべてを電動車(ハイブリッドやプラグインハイブリッドを含む)に切り替える」と発表したが、それ以前の話として、2030年度燃費基準をクリアするために電動機能を搭載して燃費性能を向上させる必要があるわけだ。

■軽自動車は新燃費基準をクリアするのか?

全車にマイルドハイブリッドを搭載するハスラー。NA/2WD車のWLTCモード燃費は25km/L。2030年度燃費基準の達成目標(約28.6km/L)には惜しくも届かない

 そこで気になるのが軽自動車だろう。ハスラーは全車にマイルドハイブリッドを搭載する。モーター機能付き発電機が、減速時の発電+アイドリングストップ後の再始動+エンジン駆動の支援を行う。

 ターボを装着しない2WDはWLTCモード燃費が25km/Lと良好だが、車両重量が820kgで2030年度燃費基準をクリアするには、約28.6km/Lに達しなければならない。比率にすれば14%の燃費向上が求められる。

 国内の最多販売車種となるN-BOXは、売れ筋になる標準ボディLのWLTCモード燃費が21.2km/Lだ。車両重量は900kgだから、2030年度燃費基準を達成するには、27.8km/L前後まで高める必要がある。

 N-BOXは軽自動車のなかでも車両重量が重い部類に入り、燃料消費量が多くなりやすい。そこを考えると、WLTCモード燃費が21.2km/L(JC08モードは27km/L)なら、燃費数値としては相当に優れている。

 先代(初代)N-BOXが2011年に登場した時は、JC08モード燃費が22.2km/Lであった。つまり現行型は、マイルドハイブリッドなどのメカニズムを使わずに、燃費数値を22%向上させている。それなのに2030年度燃費基準は、さらに燃費数値を31%改善して、27.8km/L前後にすることを求めているわけだ。

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