【池袋暴走事故】事故記録装置で判明した“踏み間違い”は100%正確!? 誤データ「あり得ない」 認定アナリストの眼


EDRによってアクセルとブレーキを「踏んだかどうか」はきっちり記録される

アクセルを踏み込み量をコンピューターが処理し、エンジン側のスロットル開度がEDRに記録される。EDRに記録されたものをデータ化(CDR)することで事故の状況を把握することが出来る(※イメージ画像)

 さて、ここから真相について考えてみよう。よくEDRはアクセル開度までわかる、といわれている。確かにそのとおりだが、実際に踏んでいたアクセルペダルの開度ではない。

 現在のクルマのアクセルは電子制御スロットルなのである。つまりドライバーが踏み込んだアクセル開度がそのままエンジン側のスロットル開度とは限らない。

 アクセルペダルの踏み込み量によって、ドライバーの要求トルクをコンピューターが判断して「スロットル開度」を決めるのだ。EDRはこのスロットル開度を記録する。

 言ってみればドライバーのアクセルペダル開度はどうでもよく、実際にエンジンに加速を促すスロットル開度が重要なのだ。したがってアクセルペダルが全開になっていなくてもスロットルが100%全開を示す場合もある。

 ただし、アクセルペダルを少しでも踏み込まない限りスロットルが開くことはない。

 検察側はEDRデータのスロットル開度を読み取りアクセルペダルを踏んでいたと判断したはず。逆にブレーキペダルを踏んだデータもしっかり記録されるので、まったく踏み込まれてはいなかったことを確認したはずである。

 以上のことから「(事故の)原因は、アクセルとブレーキの踏み間違い」と結論付けているのだ。

EDRの誤動作や誤データが記録されることはあり得ない

 このEDRのデータだが、走行中必要なすべてのデータが記録され続けている。EDRのメモリー容量には限りがあるので、常に上書きされている。

 そして、事故が起き「デルタV」と呼ばれる衝突による衝撃が記録された瞬間を基準に、事故前何秒~事故後何秒というデータごとに決められた時間のデータが記録(ロック)される。例えばエンジンスロットルやブレーキは、マイナス5.0~0秒のデータを記録している。

 EDRに記録されるデータは、ACMで事故データが正しいかどうか?セルフチェックされた後にEDRに記録される。したがって誤ったデータが記録されることはないのだ。

 また、連続して起きた事故も記録される。このような記録方式であるためにEDRの誤動作や誤データが記録されることはあり得ない。非常に高い信頼性があるのだ。

 EDRにはデータが記録された日時もなければ音声も映像も記録されない。これはドライバーのプライバシーに配慮しているからだ。

 では、いつの事故であるかをどうやって確認するかというと、「イグニッションサイクル」が記録されている。このイグニッションサイクルとデータが紐づけされているため、いつの事故であるかが特定できるのだ。

 以上のことから、今回の事故の重要な証拠となりうるEDRのデータは確固たるものなのである。

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