■ハンドリング対決
ハンドリングはまぁひとクラス上のソリオがイイに決まってるだろ。スペーシアカスタムがどこまで迫れるかなぁ? という予想でした。乗る前はね。
ところが実際に走り始めるとスペーシアカスタムの素直なステアリングフィールがスムーズ。背の高さを感じさせない、操舵量に比例したわかりやすいコーナリングなのだ。
S字のようなコーナーでも、揺り戻しでの地から浮いたような不安感ナシ。少し硬めのサスペンションが、コーナリングによる横Gをしっかりと受け止めている。といっても硬め過ぎたガチガチ系のサスペンションではない。
ステアリングを切り始めると適度なロールを発生して急激に横方向にノーズが向くのを制御。とはいえ微小舵での応答はしっかりしている。
そして、さらにステアリングを切り込むことでロールモーメントが増えてゆくのを、今度はジワジワとサスペンションの硬さを発生させてロール量を抑え込むのだ。柔らかいようで硬い。そんな足を持ったハンドリングである。
いっぽうソリオは全体にフワッとしたハンドリング。そうa フワちゃん。ステアリングを切り始めた時に過敏すぎず、まずサスペンションのバンプやリバンプで吸収してジワジワとコーナリングを始める感じ。
スポーツ性がないと初めは感じてしまうが、だんだんとボディの堅剛性を感じるようになる。ボディ剛性が高いからステアリングを微小舵入れた時にもノーズはシンクロして動く。
スポーティに走らせたければ操舵スピードを上げればいいだけ。つまりサスペンションで万人受けするハンドリングを出しているのだ。
で、どちらが? ということになると、軽快感も含めてスペーシアだねぇ。
■クルマの挙動対決
100km/hはこれまでにも経験してきたと思うが120km/hは新しい世界。120km/hくらいは時々出していますよ、というドライバーもいることだろうが、新東名の120km/hで走れる区間の下り坂など、瞬間的にはそれ以上の速度を出してしまうかもしれない。
120km/hは100km/hの20%増しの速度、と単純計算は成り立ちません。クルマの運動に働く慣性は速度上昇とともにどんどん大きくなるもの。44%増しくらいの挙動変化があるのです。
そこでスペーシア。120km/hでもハンドリングのよさが印象的。では挙動もいいだろう!? との予測が成り立ちますね。
しかし、そこが落とし穴。ニュートンの運動の法則という慣性モーメントを思い知る結果に。
問題は横風。新東名は山から海に向かって吹き下ろすからっ風、いわゆる横風が恒常的に吹いている。
スペーシアのトレッドはほぼ1300mm。これに対して全高は1785mm。
一方、ソリオのトレッドはほぼ1640mmで全高は1745mmだ。
横風を受けた時、両車ともほぼ似たような全高だが、それを受け止めるトレッドが軽自動車枠のスペーシアは狭く、サスペンションにかかる横方向の荷重移動が早い。
だからサスペンションを硬くしてるのね、スペーシア。風のないトンネルはいいんだけど、横風受けると左右にワンダリングします。ソリオはこれがゆったりで安心感は大きい。
ただソリオは120km/h前後だとステアリング中立が固定されるフィーリングがあり、これはちょっと違和感があった。
また、大型トラック追い越す瞬間も横風受けるので要注意でした。
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