■クルマの挙動対決
100km/hはこれまでにも経験してきたと思うが120km/hは新しい世界。120km/hくらいは時々出していますよ、というドライバーもいることだろうが、新東名の120km/hで走れる区間の下り坂など、瞬間的にはそれ以上の速度を出してしまうかもしれない。
120km/hは100km/hの20%増しの速度、と単純計算は成り立ちません。クルマの運動に働く慣性は速度上昇とともにどんどん大きくなるもの。44%増しくらいの挙動変化があるのです。
そこでスペーシア。120km/hでもハンドリングのよさが印象的。では挙動もいいだろう!? との予測が成り立ちますね。
しかし、そこが落とし穴。ニュートンの運動の法則という慣性モーメントを思い知る結果に。
問題は横風。新東名は山から海に向かって吹き下ろすからっ風、いわゆる横風が恒常的に吹いている。
スペーシアのトレッドはほぼ1300mm。これに対して全高は1785mm。
一方、ソリオのトレッドはほぼ1640mmで全高は1745mmだ。
横風を受けた時、両車ともほぼ似たような全高だが、それを受け止めるトレッドが軽自動車枠のスペーシアは狭く、サスペンションにかかる横方向の荷重移動が早い。
だからサスペンションを硬くしてるのね、スペーシア。風のないトンネルはいいんだけど、横風受けると左右にワンダリングします。ソリオはこれがゆったりで安心感は大きい。
ただソリオは120km/h前後だとステアリング中立が固定されるフィーリングがあり、これはちょっと違和感があった。
また、大型トラック追い越す瞬間も横風受けるので要注意でした。
■加速対決
120km/h時代において加速性能はアクティブセーフティ(積極安全性)という見地から重要です。
例えばICやSAから本線に合流する時、走行車線上のクルマに迷惑をかけかねない。大型トラックなどは重いがゆえに減速に時間がかかるし、積み荷の荷崩れ防止からブレーキ弱し。
さらに一度減速すると速度復活に時間がかかるし、第一燃費が悪くなる。上り坂だと顕著ですね、そういうの。
そこで本線合流の40km/h速度規制が終わるラインからアクセル全開で120km/hまでのタイムを計測。
スペーシア/21.22秒。ソリオ/15/82秒。車重はスペーシア/900kgに対してソリオ/1000kg。ソリオってそんなに軽いんだ! という印象ですが、6秒弱の差は大きいです。安心してイチバン右側の追い越し車線まで移動できます。
実は80~100km/h加速での両車の差は0.8秒。そうイチバン多用する速度域での追い越し加速にそれほど差はない。しかし100~120km/hの加速タイム差は3.64秒といきなり広がるのであります。
ただし、スペーシアは危険なほど遅いかというと軽自動車のなかでは速い部類というフォローは入れときたいです。120km/hのスピードになるまでにストレスがたまることもありません。
まぁ、安心、余裕という見地ではソリオになります。




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