■乗り心地対決
両車とも家族旅行などでフル乗車して高速移動することを考えると、運転席だけでなく後部座席の乗り心地も重要。
まず運転席。スペーシアはハンドリングのところでも述べたとおり、どちらかというと硬めのしっかりしたサスペンション。高速での安定感、安心感は軽自動車の狭いトレッドを考慮すれば硬めのほうがいいわけです。
しかし、半面乗り心地が損なわれる。そこでサスペンションの初期の動きをスムーズにして路面のアンジュレーションを吸収しています。これは常道。
ただし、スピードが上がると路面の凹凸はサスペンションの上下動だけでは吸収しきれません。
タイヤに対して前後方向に衝撃が入るからです。これはサスペンションのゴムブッシュや設計なんですね。でもゴムブッシュは柔らかくすればいいわけではない。直進性が損なわれます。
両車ともよくできていますそのあたり。前席に乗っていれば。
しかし、後席になると若干話は変わってきますね。
ソリオは120km/hになっても下から叩かれる感触は少ないですね。ま、シートの座面が分厚くリッチなのもあります。
しかし、スペーシアは叩かれるようなタップ感と若干の上下動(収束は早い)がハッキリ現われてくる。
このあたりはソリオのサイズの余裕、大きいもん勝ちという感じです。
■ACC(アダプティブクルーズコントロール)対決
AACCは今や高速道路の必需品といっても大袈裟ではないほどで、あるとないとでは運転疲労に大きく影響するのです。
残念ながらスズキの場合、これにプラスして車線内の中央走行維持のためにステアリングをアシストするLKA(レーン・キープ・アシスト)が装備されるのはクロスビーのみで、今回テストしたスペーシアカスタム、ソリオともに設定されていません。これは早急に開発してほしいと思います。
ACCの場合、120km/h設定で前走車追従での車間距離が適切か? がまず重要になってきます。
近すぎては恐いし、遠すぎてはほかのクルマに割り込まれるし(特に大型トラック)。あとスムーズに自動減速してくれるか? というのも重要です。
この点、両車ともに安全安心なコントロールを見せてくれました。
車間距離は3種類から選ぶことでき、一番短くセットしても比較的長め。安心ではありますが、逆に割り込まれやすい。まぁ、安全優先はいいこと。
速度が落ちてしまった時からの加速復活は加速性能の差、そのものでした。
スペーシアは設定できる最高速が110km/hでしたが、性能面ではまったく問題ありませんでした。
■室内騒音対決
運転席と助手席の間、センターコンソール上10cmのポイントで騒音を計測。
スペーシアカスタム、ソリオとも路面のつなぎ目などを超える時にはドン、と室内音が大きくなるが、加速時、定速走行時ともすこぶる良好な静粛性だった。
120km/h走行時はターボとはいえスペーシアの658ccエンジンにはかなり負荷がかかっているにもかかわらず、唸るような音はいっさいないので、オーディオのボリュームを上げなければいけないということもない。
対するソリオは排気量の余裕もあり貫禄勝ち。
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