希少なランエボは1500万円超!! 三菱所有のお宝名車、総勢15台がオークションへ出品。注目の全モデル&落札価格は?
三菱自動車の英国法人は2021年4月中に自社で所有する歴史的なモデルであるヘリテージカーを売却するヘリテージオークションをおこない、15台が出品されたヘリテージカーはすべて買い手が決まった。
本稿では買い手が決まった15台の価格と車両概要を紹介しながら、三菱自動車が持つ歴史を振り返っていく。
文/永田恵一 写真/MITSUBISHI
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名車ランエボ続々!! 最高価格はエボVIの1521万円に
●ランサーエボリューションVI トミマキネンエディション/10万100ポンド(約1521万円)
ランサーエボリューションVIは、ランエボとしてはIVからVIが該当する「第二世代」のモデルだ。
第二世代のランエボは、ワイドボディ化などがおこなわれたエボVから劇的に性能を向上。エボVIトミマキネンエディションは、当時WRCにランエボで参戦していたトミ・マキネンが1996~1999年のドライバーズタイトルを4連覇したことを記念して設定されたランエボ6.5的なモデルである。
トミマキネンエディションのエボVIに対する進化は、エンジンのレスポンス向上に貢献するチタンアルミ合金ターボチャージャーや、よりターマック(舗装路)向けとしたセッティングが施されたサスペンションなどが挙げられ、ランエボVI トミマキネンエディションは、第二世代のランエボの集大成となる完成度を誇った。
●ランエボIX MR FQ360/6万8900ポンド(約1047万円)
ランエボは2001年登場のVIIから第三世代に移行した。第三世代のランエボは、第二世代に対しベース車のボディサイズの拡大や車重の増加といった不利もあったが、ボディ剛性の向上や4WDのセンターデフ拘束力を3つのモードから選べるACD(アクティブ・センター・デフ)の採用などにより、速さでは歴代ランエボで最も速いモデルに仕上がった。
ランエボIXのMRは、VIトミマキネンエディションに相当する第三世代のランエボ最後となるエボ9.5的なモデルで(MRは三菱レーシングの略)、ターボチャージャーやサスペンションの見直しに伴うコーナリング性能向上のため、後外輪の回転数を高めるスーパーAYC(アクティブヨーコントロール)のリセッティングなどがおこなわれた。
FQ360はメーカー純正のチューニングモデルで、エンジンはHKSの吸排気系パーツの装着によるパワーアップ、サスペンションは軽い車高ダウンなどを含む強化されたものが装着され、ランエボIX MRのポテンシャルをフルに引き出したモデルだった。
●ランエボX FQ-440 MRスペシャルエディション/5万8100ポンド(約882万9000円)
ランエボは2007年に現状では最後となる第四世代のXに移行した。ランエボXはベース車がギャランフォルティスとなったため、さらにボディサイズや車重は増加し、絶対的な速さでは第三世代までに対し微妙なところがあったことも事実。
しかし、2ペダルのツインクラッチSST(DCT)の設定、ASC(横滑り防止装置)の採用を含めた四輪統合制御などにより、より間口の広いランエボとなった。
2014年に英国にて40台限定で販売されたFQ440 MRスペシャルエディションは、ランエボXの英国での販売終了に伴うファイナルエディションだ。
FQ440の車名のとおり、エンジンはHKSのターボチャージャーの装着などFQ360以上に手が加えられた仕様となっており、今になると日本で販売されなかったのが非常に悔しいモデルだ。
●ランエボIX グループNワークスラリーカー/6万1700ポンド(約937万6000円)
ランエボはWRCのトップカテゴリーとなる「グループA」と「WRカー」でのワークス参戦は2005年で終了したが、改造範囲が狭く市販車に近い「グループN」での参戦は継続され、インプレッサWRX STiとの戦いは現在も続いている。
ヘリテージオークションに出品されたエボIXのワークスラリーカーは、ガイ・ウィルクス選手がドライブした車両だ。
なお、ヘリテージオークションに出品された15台を合計した売却金額は47万9500ポンド(約7286万3000円)で、その約6割がランエボによるものだった。また、ランエボの売却金額も世代によるランエボ人気が反映されているのがよくわかる。
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