超大事? 見せかけもあり?? 大事な理由があるはずだ!!!! クルマの「穴」大全

■知る人ぞ知る、マニアックな「穴」たち。

●新車輸送の時のみに使う「謎の穴」

 この穴はレヴォーグのフロアにあり、ゴム製の蓋がされている。実はこれ、新車輸送時の固縛用に使う穴で、新車納整の際にゴム蓋をして隠すというもの。

謎の穴
謎の穴

●砂抜きのための「ウェルチプラグ」

 エンジンを見るとシリンダーブロックに蓋が? ここには鋳造時の砂抜き用の穴があり、中子となる砂型を抜く時のみ使う。整備士でなければ縁のない穴だ。

ウェルチプラグ
ウェルチプラグ

●スターティングハンドル差し込み用の「穴」

 スターターモーターが普及するより前の時代はエンジン始動自体が命懸けだった。その時代のクルマはエンジン始動にハンドルをクランクへ差して回す必要があった。その差込穴がこれ。

スターティングハンドル差し込み用の「穴」
スターティングハンドル差し込み用の「穴」

●外車で見かけるジャッキアップ専用の「穴」

 出先でタイヤがパンクした時は交換するためジャッキアップをするが、国産車がパンタグラフで持ち上げる一方、BMWやベンツなどの外車はサイドシルに専用の穴がある。その穴に専用のT字型スタンドを差し込み、ハンドルを回せばジャッキアップできる。

●そんな場所にも? 燃料給油口のエア抜き「穴」

 給油口をよく覗き込むと、差し込み口の脇に小さな穴がある。これも意味がある穴で、給油時にタンク内に溜まったエアを外へ抜く為のもの。タンク上部と繋がっているのだが、これがないと給油した途端、エアとともにガソリンが逆流してしまいとても危険。とても重要な穴である。

■車内も意外と穴だらけ?

 クルマの外観をあらゆる角度で見渡せば、数多くの穴があることに気がつくが、実は車内にも穴は存在する。しかしそれは、普段は見えないように隠したり、塞いでいたりする。ここではそんな車内の「穴」について、いくつかご紹介しよう。

●サービスホール…もし自分のクルマをDIYで修理をしたことがある人なら、見覚えのある穴のはず。左の写真はドアの内張りを剥がした時のもので、このなかにポッカリと穴が三か所開いている。これがサービスホールである。

 サービスホールとは、整備や修理をする際に、各部品へのアクセスをよくするために開けられた穴で、ドアの場合はウィンドウレギュレーターやモーターの整備のため最初から開けられている。

ドアの内張りを外せばサービスホールが見える。手前にはサービスホールカバーが備わる
ドアの内張りを外せばサービスホールが見える。手前にはサービスホールカバーが備わる

 そのほか、日産NV350キャラバンのオイルフィルターなど、定期交換部品なのに普通じゃ取れないような場所にある時は、別途で車内にサービスホールを設け、脱着しやすくしている場合もある。

●水抜き孔…もし万が一車内に水が浸入した場合、入った水を外へ抜くための穴も室内には存在する。普段はゴム製の蓋で穴を塞いでいるもの。できればお世話になりたくない……。


【番外コラム】スポーツカーでよく見る「しゃもじ状」のインテーク、「NACAダクト」とは?

 NACAダクトとは、1940年代にアメリカ航空諮問委員会(NACA)によって開発された、空気抵抗を増やさず効率的に空気を導入できる窪んだ形状のインレットのこと。なお「NASAダクト」というのは実は誤り。

 もともと航空機用として開発されたもので、実際にジェット戦闘機の試作機でもエンジン吸気口にNACAダクトが採用されていたほか、現代の航空機でも時折見ることができる。

「NACAダクト」
「NACAダクト」

 ではいつ、クルマに転用されたのか? その時期は定かではないが、企画担当が調べたところ、1955年のF1に参戦したコノートがすでに導入しており、市販車では1958年製ロータスエリートがボンネットに設けていた。

 その後も数多くのメーカーがレーシングカー・市販車に採用するなど、今なおよく見る「穴」なのだ。

その後クルマでも広まっていき、1987年登場のF40は特にNACAダクトだらけである
その後クルマでも広まっていき、1987年登場のF40は特にNACAダクトだらけである

【画像ギャラリー】意外と重要な「穴」ばかり…!!? クルマにまつわる「穴」をギャラリーでチェック!

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