絶滅寸前でも意外な利点!? ディーゼル車は今買っても良いのか

■迫るディーゼル包囲網の一方で日本は?

パワフルで低燃費、そしてCO2排出量が少ないということで、運転を楽しみ、環境意識も高い欧州人にディーゼル人気が高かった

 だが、東京では早ければ2030年に、日本全体でも2035年までには純内燃機関車の発売が禁止されると報じられている。このままディーゼル車に乗り続けてもいいものか考えざるを得ない。早く売らないと、ディーゼル車には値段がつかなくなってしまうのではないか、これを機にEVに乗り換えるべきなのか。まして、今ディーゼルの新車を買うなど、愚の骨頂なのか?

 海外でも、イギリスでは2030年にディーゼル車の新車は発売禁止に、欧州では2035年に内燃機関車がハイブリッド車も含めて発売禁止になる方向だ。

 また2025年にも施行となる新排ガス規制・ユーロ7では、厳格な規制への対応コストが非常に高くなるため、実質的にディーゼル車を含めた内燃機関車の販売が不可能になるのではと言われている。

 それでなくても排ガス規制テスト不正事件以降、「クリーン」とされたディーゼルエンジンのイメージはガタ落ち。また欧州の多くの大都市では今も大気汚染がひどく(ロンドンでは政府発表で毎年9000人以上が大気汚染で命を落としている)、PM2.5とNOx排出量が多いディーゼル車に対する消費者の目は厳しい。

 2015年に50%を超えていた欧州におけるディーゼル車の新車登録シェアは、2020年に28.8%まで激減。同年9月には、欧州でのハイブリッド車とEV車の新車登録台数合計が史上初めてディーゼル車を上回った。

日本で初めての「クリーンディーゼル」市販モデルとなった2代目エクストレイルだが、現在ディーゼルエンジンはラインナップされていない

 日本におけるディーゼル車のシェアは、新車販売全体の約6%で過去数年安定している。その内訳を見ると、ざっくり5割が輸入車、3割がマツダ車で、三菱とトヨタが残り1割ずつといった状況。輸入車の4台に1台はディーゼルで、特にディーゼルに熱心なBMWでは、X3やX5のディーゼル比率は9割以上、3シリーズや5シリーズは6割、全体でも6割ほどだという。

■EVは「アップルウォッチ」、ディーゼル車は「ロレックス」

急速充電でも数十分、普通充電なら数時間はかかる。給油に慣れてきたドライバーたちにとってこれはネガ要素

 海外のニュースを聞いて不安に駆られるのは理解できる。だが冷静に考えてみてほしい。2030年から2035年にかけて、日本でも純内燃機関車の販売が禁止されるとしても、9年近く先の話。ディーゼル車の中古車販売が禁止されるわけではなく、街を走るすべてのクルマがEV化されるわけでもない。

 消費者の経済的負担は非常に大きいので、海外でさえ「ディーゼル車走行禁止・強制的買い替え」のような議論はあまりなされていない。

 さらに、今の段階でEVを買うと、9年後にどのようなことが起こるだろうか。使い方によっては、電池の劣化で航続距離や出力、充電効率が低下していてもおかしくない。今後、技術の進歩で、より短時間で充電可能なEVが発売になれば、フル充電するのに1時間かかるような9年落ちのEVを好き好んで買う人はあまりいないだろう。そのため、将来の下取り価格は低くなる可能性が高い。

 EVは、例えるならば、アップルウォッチ。技術はまだ上振れの余地が大きく、時間の経過とともに、現在売られている製品は急速に陳腐化する。それに対し、ディーゼル車は、ロレックスのような機械式時計だ。時間の経過による陳腐化と信頼性の劣化は極めて限定的。メンテナンスコストも予測可能。長い歴史があり、技術はもうこれ以上進化できない極みに近づいている。究極のカタチといっていいほどだ。

BMWでは新世代直6ディーゼルが新型X5やX6などにラインナップされている

 実際に、最新のBMW直6ディーゼルターボを運転してみたが、その滑らかな回転フィールたるや、あまりにスムースで天にも上る心地で、エンジンとしては究極の進化を遂げていると確信させられた。

 EVは将来いつでも乗れるが、ディーゼル車の新車には乗れなくなる日がくる。今から15~20年経った後、「あの時ディーゼルエンジンのクルマを体験できてよかったな」と思える日が必ず来る。むしろ今こそディーゼル車の買い時ではないだろうか。

【画像ギャラリー】写真で見る国産&輸入クリーンディーゼルエンジン

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