E-AT型 シビック
1983年9月に登場し“ワンダーシビック”の愛称で親しまれた3代目シビック。発売当初、エンジンは1.3リッターと1.5リッターのCVCC直4 SOHCのみの設定だったが、1984年10月に1.6リッター直4 DOHC 16バルブのZC型エンジンを搭載したSiグレードを追加。
市販乗用車では世界初の4バルブ内側支点スイングアーム方式シリンダーヘッド、世界初の異形中空カムシャフト、小型軽量の4連アルミシリンダーブロック、吸排気の脈動効果に優れる等長インテークマニホールドなどの採用で135psの最高出力と15.5kgmの最大トルクを達成。
足回りもフロントに操縦性や回頭性に優れるトーションバー・ストラット式サスペンションを、リアに路面追縦性に優れるトレーリングリンク式ビームサスペンションを採用してスポーティな走りを実現した。
全日本ツーリングカー選手権でも無類の強さを発揮し、1987年シーズンはクラス全戦全勝を達成。レース史にその名を刻む1台として、今も語り継がれている。
AW11型 MR2
AE86のデビューから約1年後となる1984年6月に国産小型乗用車初のミドシップを採用したMR2が登場。
Midship Runabout 2 Seater(ミドシップ ランナバウト2シーター)のネーミングが与えられたMR2はスポーツカー然とした見た目とは裏腹に乗降性、シート高、ラゲッジスペースなど使い勝手の良さにも配慮した1台だった。エンジンは1.5リッター直4 SOHCの3A-LU型と1.6リッター直4 DOHCの4A-GELU型の2種類を設定。
トランスミッションは5速MTと電子制御4速ATが組み合わせられた。1986年に行われたマイナーチェンジでは4A-GELU型にスーパーチャージャーを組み合わせたモデルもラインナップに追加したほか、Tバールーフ仕様もオプションで設定。
それまでは、いわゆる“スーパーカー”でしか味わうことができなかったミドシップを量産の小型乗用車に採用して大きな衝撃を与えたMR2は、AE86と同様に後世まで語り継がれるべき1台であることは間違いない。
AE92型 カローラ レビン&スプリンター トレノ
AE86の後継モデルとして1987年5月に登場した通称“AE92”のカローラ レビン&スプリンター トレノ。
AE86から駆動方式がFRからFFへ、ボディも3ドアハッチバックを廃止して2ドアノッチバッククーペのみのラインナップへと大きく様変わりしたが、エンジンもAE86を継承する4A-GE型に加え、スーパーチャージャーを搭載した最高出力145psを発生した4A-GZE型をGT-Zグレードに搭載。
また、GTアペックスには電子制御サスペンション(TEMS)も標準装備された。発売当時の日本はバブル経済の絶頂期、そのスタイリッシュなクーペフォルムはデートカーとしても人気を博し、シリーズ歴代最多販売台数を記録。走行性能も高く、全日本ツーリングカー選手権ではADVANカラー、ミノルタカラー、富士通テンカラーなど色とりどりのAE92が活躍した。
神格化されたAE86と比べてしまうとどうしても影が薄いAE92だが、あらゆる面でAE86を含めた当時のライバルを凌駕していた。
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