e:Nシリーズ最新EVの魅力
クルマそのものの前に、e:Nシリーズは動、知、美というコンセプトを持つ。開発コンセプトの概要は以下のとおりである。
・動:ホンダらしい人車一体感あるスポーティで爽快な走り
・知:安全装備パッケージのホンダセンシング、ホンダコネクト、スマートなデジタルコックピットを通じた安全、快適でスマートな移動空間を提供
・美:EVならではのデザインコンセプトとなるe:Nデザインによる、未来を感じられる世界観
e:Nシリーズのプラットホームは、EV専用となるe:Nアーティテクチャーというものを採用。小型・中型車用のフロントモーターのFFとなるe:NアーティテクチャーFと、中・大型車用となるリアモーターのリア駆動と前後モーターのAWDとなるe:NアーティテクチャーWの2つとなる。
この点を踏まえて2022年春に中国で発売されるe:NS1とe:NP1から紹介していこう。詳細なスペックの発表はないが、エクステリアから、現行ヴェゼルのEV仕様か? と想像できる。
中国で販売された先代ヴェゼルのEV仕様には、2018年の中国初の量産EVとなる理念VE-1(理念は広州ホンダの独自ブランド)、2020年の東風ホンダのM-NVがある。日本ではあまり知られていないが、ホンダはヴェゼルのEV仕様を通して、中国でのEV進出の種まきを行っていた。
このような背景と2021年ヴェゼルのフルモデルチェンジがあったこともあり、e:NS1とe:NP1は初代ヴェゼルベースのEVの発展版と思われる。
e:NS1とe:NP1はe:NアーティテクチャーFを使うFF車で、前述の動・知・美のコンセプトの概要は以下のとおりである。
・動:軽快、リニア、スポーツカーのようといった、ホンダ走りのDNAはEVになっても継承。高出力モーターの搭載により0-100km/h加速は8秒を切る速さを誇り、大容量バッテリーの搭載により航続距離は500kmを超える(先代モデルとなるM-NVのモーターは163馬力、61.3kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は480kmだった)。
また、EVならではのボディ剛性は強固で、F1をはじめとしたホンダのモータースポーツ活動からフィードバックされた高い空力性能を持ち、スポーツモード選択時にはエンジン車のようなサウンドも楽しめる。快適性についてはロードノイズの低減により上級車並みの静粛性を実現しているという。
・知:ダッシュボードは10.25インチの液晶メーター、15.2インチという大きなセンターディスプレイを採用した、デジタルコックピットとなる。また、インフォテイメント関係はパソコンのようだが、e:N OSという先進的かつ能動的なOSを使う。
EV専用となるホンダコネクト3.0による豊富な各種情報表示やOTA(スマホのような無線による各種アップデート)への対応、スマホからのドアロック、パワーウィンドウ、エアコンといった操作ができるデジタルキー機能、ドライバーの表情などをカメラが認識し、運転のアドバイスなどを行うDMC(デジタルモニタリングカメラ)も装備される。
・美:現行ヴェゼルベースながら、フロントグリルやバックドアまわりをはじめとした細部の変更によるEVらしい未来感
なお、価格は発表されていないが、先代モデルとなるM-NVは補助金を使うと14万9800元(約267万円から)と安く、e:NS1とe:NP1では生産規模の拡大などにより、さらに安くなることも期待できそうだ。
クーペルックのSUVとなるe:N SUV、4ドアクーペ的なe:N GT、2ドアクーペのe:Nクーペの3台のコンセプトカーは3台の見分けも難しいのに加え、詳細な発表もないためコンセプトカーではボディサイズや車格も不明だ。
分かるのはプレゼンテーション動画からこの順番で登場することくらいで、この3台はテスラなどをターゲットとしたe:NアーティテクチャーWを使ったファミリーとなるのだろう。
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