なぜホンダは日本市場より中国市場を重視するのか
答えは簡単で、人口が日本の10倍以上となる約14億人なのに加え、ここ10数年で庶民へのクルマの普及が急速に進んでいる中国の市場規模が巨大だからである。
具体的にクルマの全体販売台数から見ると、中国は日本の約5倍となる2019年/約2576万台、2020年/約2531万台と、今や中国はアメリカを大幅に上回る世界最大の市場となっている。
それだけにホンダも中国では日本の2倍以上となる2019年/約155万台、2020年/約163万台を販売し、中国での販売台数はホンダ全体の30%以上となる。
中国ではEVシフトに対しても積極的で、前述の先代ヴェゼルベースのEVとなるM-NVの補助金を使った際の価格の安さをはじめ、EVには優遇政策も多い。
もともとホンダは日本メーカーのアメリカにおける現地生産の先駆者だったことからも分かるように、「需要の多いところで生産する」というポリシーを持つだけに、EV関係を含め中国に注力するのもやむを得ない面は大きい。
もちろん、日本人としては商品ラインナップや価格など「もっと日本を見て欲しい」という気持ちは当然だ。
しかし、この中国でのEV戦略を見ていると、e:Nシリーズが中国から日本への輸入という形で日本に導入される可能性も十分ある。このあたりは複雑な心境ながら、今後は「EVを含め、中国のおかげで日本人が買えるホンダ車のラインナップが拡充する」ということになっていくのかもしれない。
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