フェラーリ BR20を発表! たったひとりのために生まれた跳ね馬


 スーパーカーの王様として知られるフェラーリ。そのなかでも世界の富裕層や愛好家の憧れとなっているのが、特注モデルだ。フェラーリでは、たったひとりのオーナーのために専用開発されたモデルが存在する。その最新作が、世界初公開されたのだ。

 特別のなかでも特別と言えるオーナー専用開発となるフェラーリ「BR20」とはいったいどんなマシンなのだろうか。

文/大音 安弘、写真/フェラーリジャパン

【画像ギャラリー】新型フェラーリBR20とベースのフェラーリGTC4ルッソを比較!


■世界で1台の特注フェラーリ

 フェラーリは2021年11月11日、フェラーリのワンオフシリーズの最新作「フェラーリBR20」を発表した。

 同モデルは、たった1台のみが生産される限定車だが、これは購入を希望する個人が特別オーダーしたもの。つまり、すべてが購入者の希望を叶えるべく、デザインと開発などの作業を行った贅沢な一台なのだ。

 高級車メーカーでは、ユーザーの希望に沿った車両に仕上げるべく、さまざまなカスタムプログラムを用意しているが、フェラーリではカタログモデルのスペシャルオーダーだけでなく、まったく新しいモデルを顧客のために専用開発し、生産するプログラム「スペシャル・プロダクト」が用意されているのだ。

 顧客の希望に沿って、フェラーリのデザインチームがデザインを仕上げ、スタイリング用クレイモデルまで作成。その完成されたモデルをたった1台だけ生産する。全プロセスには、平均1年以上の期間を要するという。

 もちろん、顧客はデザインの評価や検証プロセスにも密接に関われるのだから、完成までも至福のひと時が味わえる。まさにフェラーリファンの夢である自分だけのフェラーリを手にすることができるのだ。

とある顧客が自分のために作らせた世界で1台のフェラーリが「BR20」なのだ

 これまでのワンオフモデルの一部を紹介すると、英国のミュージシャンであるエリック・クラプトンのための「SP12 EC」が有名だ。創業直後のフェラーリは、特別な顧客向けにワンオフモデルの制作を行ってきた。

 しかし、そのサービスは長年、封印されてきた歴史がある。その復活第一号となったのが、08年12月に発表された「SP1」であり、オーダーしたのは世界的なフェラーリコレクターとして知られる日本人、平松潤一郎さんであった。

ミュージシャンのエリック・クラプトンのためのワンオフモデル「フェラーリSP12 EC」

■ベース車にGTC4ルッソを採用

 BR20は、50年~60年代のフェラーリにインスパイアされたデザインが特徴だ。往年のFRレイアウトの12気筒モデルの魅力を受け継ぎながらも、今の時代にも通用する美しさと速さを兼ね備えたフェラーリに仕上げられている。

 そのスタイリングを具現化するためのベース車には、フロントにV12気筒エンジンを搭載するGTC4ルッソを採用。しかし、大きな問題がある。BR20はファストバッククーペに対して、GTC4ルッソはシューティングブレークとボディ形状が異なるのだ。

ベースであるフェラーリGTC4ルッソは、シューティングブレークなのだが……

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