モータージャーナリストの西川淳氏が、フェラーリ初となるプラグインハイブリッド車(PHEV)「フェラーリSF90ストラダーレ」に日本で公道試乗。
F1ゆずりのハイブリッドパワートレインによるシステムパワーは1000馬力を発揮し、また一方で最大25kmのEV走行も可能とする新世代フェラーリの走りとは? その実力を西川氏にレポートしてもらった。
文/西川 淳
写真/柳田由人
【画像ギャラリー】フェラーリ創立90周年記念車「SF90ストラダーレ」はPHEVの怪物だ!!
■スクーデリア・フェラーリ設立90周年を記念したスポーツモデル
「SF」。スクーデリア・フェラーリの略である。現在、街を走っている多くのマラネッロ製ロードカーのフロントフェンダーには跳ね馬の盾マークが飾られている。これがSFエンブレムで、フェラーリレーシングチームの証というわけだ。
それゆえ、「SF90ストラダーレ」というネーミングにはマラネッロの気合が相当強くこめられたと言っていいだろう。曰く、スクーデリア・フェラーリ設立90周年を記念して……。
SF90ストラダーレのデビューは2019年(ちなみに同年にスパイダーもデビュー)。
遡ること1929年に、レーシングドライバーであり、モデナでアルファロメオ販売ディーラーも経営していたエンツォ・フェラーリがレーシングチームを立ち上げた。
もっともそれは現代で例えるならフェラーリのディーラーが顧客のチャレンジカップ参戦を支援するような規模のものだったけれども、戦後にF1選手権がスタートすると一躍、その名声が世界に轟き始め、今となってはF1界になくてはならない存在にまで成長した。
フェラーリというブランドの根底にはF1を筆頭するモータースポーツ活動があり、そのイメージに頼ってロードカーの販売戦略が構築されてきたわけだから、SF90という名前を持つロードカーがいかに重要なモデルであるかは容易に想像できることだろう。
しかもそれは、いち早く電動コンポーネンツを採り入れたF1マシンに倣って、フェラーリのシリーズモデルとしては初めてプラグインハイブリッドシステム(PHEV)を採り入れた。跳ね馬のハイブリッドモデルとしては限定生産のラ フェラーリに続く第二弾である。
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