日野チームのメンバーのコメント
菅原照仁
柔らかい砂の抵抗が大きく、一度砂丘の頂点でスタック。後輪にジャッキをかけて6分ほどで脱出できました。ゴール手前では砂っぽい路面の中に石があったようで右後輪をパンク。ちょっと悔しい一日でした。
染宮弘和
スタックして砂を掘ったり、タイヤ交換作業をしたりと忙しいステージでした。ナビ席の下を排気管が通っているので、長いステージだとお尻が熱くなるのが困ります。
望月裕司
惰性走行中の発電制御をカットして排気温度上昇の問題は解決。エンジンに負荷が掛かりすぎたようです。今日は何故かターボの過給圧が上がらなくて砂丘でパワー不足。これからチェックしてみます。
【従軍記者・多賀まりおの「ダカール2022」短信】
ダカールラリーはなぜ年初のスタートなのか?
パリ~ダカール・ラリーには年初に寒いパリから避寒地のダカールに行こうというフランス人の遊び心が根底にあり、それを具現化した年初のお祭りイベントとして始まりました。
ラリーがパリをスタートした90年代初めまでは元旦未明に行われるスタートセレモニーやパレードは年明けのパリの風物詩の一つだったのです。
凱旋門からコンコルド広場までシャンゼリゼ通りを、青い回転灯を灯したオフィシャルカーやトラックの一群が隊列を組んでゆっくりと通り過ぎるさまは文字通り圧巻で、これに続く数百台の出場車両も沿道に詰めかけた大晦日明けの酔客から拍手や声援を受けながらパリを出発したものでした。
年初の開催はダカールラリーを成功させた要因の一つでもあります。この時期にはモータースポーツを含めメジャースポーツの多くが開催されないため、報道に取り上げられやすいのです。
そういうわけで1月初旬のスタートはダカールの絶対条件であり、開催国が変わっても守られてきました。
大変だったのは南米時代で、南半球では1月は初夏にあたり、40度を超える猛暑のほか地域によっては大雨が頻発。当地を訪れるには最適な季節ではなかったようです。現在のサウジアラビアはアフリカ大陸の東側に隣接し、緯度的にも北アフリカに近い。
このため、気候的にはもとのアフリカ時代とほぼ同じですが、とりわけ北部の山間地は気温はそれほど上がりません。
陽射しが強いため映像や写真では灼熱の砂漠のように思われるかも知れませんが、日中も風は意外に冷たいので人によってTシャツ姿だったりジャケットを着ていたりします。
辛いのは夜の冷え込みで、テントで使う寝袋は気温数度に耐える冬用でも寒さで目が覚めることもしばしばです。モロッコやアルジェリアの山間地では霜が降りることもありましたから、そうした寒さを含めてアフリカに近い感じです。
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