■カーボンシェルに収まる最新鋭コックピット
軽量かつ高剛性なカーボンシェルに収まるコックピットは、マセラティらしい上質さと現代スポーツカーの先進性を両立させたもの。ダッシュボードは、シンプルな美が追求され、ボタン類を最小限に留める。
操作に必要なボタン類は、ステアリング、その周辺に集約。ドライバーへの情報伝達には、メーター用とインフォメーションシステム用の2枚の10.25インチのディスプレイが大きな役目を果たす。
トランスミッションは8速DCTで、シフトはスイッチ式を採用。パダルシフトによるマニュアル操作も可能だ。ドライブモードは、標準時の「GT」、スポーツ走行向けの「スポーツ」、性能を引き出す「コルサ」、雨天時などの安全性を高める「ウェット」の4モードを用意。状況に合わせて、走りのキャラクターを変化させることができる。
もちろん、快適性の面での配慮も忘れていない。ドライバーがより多くのシチュエーションをMC20と楽しめるように、前輪を50mmリフトアップできる「サスペンションリフター」やイタリアの高級オーディオメーカーのソナス・ファベール社のプレミアムオーディオシステムなどをオプションで用意するのは、イタリアンスーパースポーツらしいおもてなし機能といえるだろう。
■注目の日本での価格は……
日本での価格は、2021年9月のワールドプレミアでは2650万円とアナウンスされていたが、最新の情報では、2664万円に改定されてた。厳密には、その価格も予価となっており、オーダーや納車のタイミングでは改定される可能性があるようだ。おそらく、為替変動や輸送コストなどが要因と思われる。
コンフィギュレーターを覗いてみると、先進安全運転支援機能としては、「ブラインドスポットアシスト」のみを用意。また、一般的な機能だが、自動防眩サイドミラーの設定は、全高の低さから効果は大きそうだ。
ユニークなオプションが「MC20マスター」。これは専用インストラクターによるドライビングレッスンで、各モードでの最適な走行方法を学べるもの。電子制御の有無にかかわらずというからかなり高度なレッスンも含まれるようだ。
最新鋭のデータ収集システムを活用し、ステアリング角度、ブレーキ圧、ギアシフト、アクセルなどの使い方を分析し、自身のドライビングを確認できるという。ぜひ日本でも実施して欲しいオプションだ。
■オープンやEVが控えるMC20の未来
MC20の最新情報は、オープンモデルの開発だ。2021年12月21日、マセラティは、カモフラージュをしたMC20の写真を公開した。テスト用の新開発車にはさまざまなパターンのラッピングが施されるが、MC20には雲をモチーフとしたものを採用。
これはオープンカーだからというマセラティエンジニアの遊び心のようだ。ルーフまでラッピングが行われていることから、ソフトトップではなく、ハードトップタイプであることが予想させる。
リリースには、ボディはカーボンダイバーと複合素材のみと記載されているので、間違いないだろう。現時点では、リリース時期については公表されていない。
先にも述べたが、将来的にはEVも控えており、こちらはオープンモデルも同様となる。しかし、軽快な走りとエンジンの力強さが味わえるマセラティオリジナルのピュアエンジン仕様を選ぶメリットは想像よりも大きいはずだ。
しかも、久々のマセラティ自社製エンジンというのもポイントだ。以前の情報では、プラグインハイブリッドの投入の噂もあったが、電動化シフトが加速する今、ピュアエンジンかEVの2択。もしくはエンジンからEVに移行する可能性も充分に考えられる。
3000万円に迫る価格だけにお買い得とはいえないが、EV化のMC20よりも、ピュアエンジンのMC20のほうが、将来的にも下取りの評価も期待でき、結果的にコスパがいいといえそうだ。
【画像ギャラリー】100%イタリー製のスーパーカー「マセラティMC20」(6枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方