配送用から大型トラクタまで ルノートラックスが電気トラックの展開を本格化!

BEVトラックのモデルレンジを刷新

 「オキシジェン」プロジェクトを発表した翌日(2022年3月8日)、ルノートラックスは新しいBEVトラックのモデルレンジとなる「Eテック」を発表し、電動モビリティ分野に懸ける決意を表明した。

 ルノートラックスでは従来、電動車両を「Z.E」と称していたが(例えば中型トラックの「D」レンジに対して「D Z.E」が同クラスのBEVトラックとなる)、Eテックはこれを置き換えるもの。中型BEVトラック「D Z.E」は「D Eテック」にリネームされる。

配送用から大型トラクタまで ルノートラックスが電気トラックの展開を本格化!
中型BEVトラック「D Z.E」は「D Eテック」にリネーム

 もちろんただのリネームではなく、本格的な電動車両の普及に向けて、「Eテック」モデルレンジでは車両本体に顧客サポートを包含した。

 トラックと乗用車で異なるのは「顧客」で、トラックを購入するのは大部分が運送会社だ(特に欧州や日本では)。輸送セクターのカーボンニュートラル実現のためには、トラックの購入前と購入時、さらに運行段階での全面的なサポートが必要になるというのが、ルノートラックスの考え方となる。

 ハイパフォーマンスの電動車両と全面的な顧客サポートの両面で運送会社を支えるのが「Eテック」というわけだ。具体的なサポートは次の4つのフェーズで構成する。

 最初のフェーズはルノートラックスが顧客の脱炭素計画を手伝うために、ニーズを分析・決定する。市販されているソリューションに関する専門知識を提供するとともに、ビジネス上の制約についても顧客に説明する。

 次のフェーズは診断で、保有車両や運行ルート、充電設備など顧客の活動を詳細に把握し、シミュレーションツールを活用して、年間のスケジュールやCO2排出量の削減予測、運行距離など詳細な助言をすることで、顧客の意思決定を助ける。

 次のフェーズで脱炭素計画を設計し、顧客と共に電動モビリティのエコシステムを構築する。ここには融資、政府・自治体の補助金、ボディ架装と艤装レベルの決定、充電、メインテナンス契約などが含まれる。顧客が実際にトラックを購入するのはこのフェーズとなる。

 最終フェーズは運行管理に関するもので、充電設備の導入、ドライバー教育、フリート管理などが含まれる。また、車両のコネクティビティを通じて運行ルートやメインテナンスの最適化、改善提案などを行なう。

 この数年、ルノートラックスは電動トラックの商品レンジを順調に拡大しており、売り上げもこれを反映している。2021年は249台を納入し、613台のオーダーを受けた。

 BEVトラックを開発する新興メーカーは多いが、顧客とつながりをもっているのは伝統メーカーの強みだ。Eテックの導入でルノートラックスはカーボンニュートラル達成に向けた戦略をさらに推し進める。

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