WRカーは乗りやすい? まるでゲームのような変速感覚!
WRカーをドライブするのは初めてで、もっと扱いにくいのかな? と予想していましたが、実際に乗ってみると凄く安定感があり、思った以上に乗りやすいんです。それがヤリスWRCの第一印象ですね。
最も大きな違いはやはりパワーで、加速時の身体がシートに抑えつけられる感覚はWRカーならでは。エンジンのトルクバンドもとても広いのが印象的です。
それゆえ、私が乗っているR5マシン(同じく1.6Lターボで約280馬力)と比べて、細かいタイヤの回転、駆動力をコントロールしやすく、非常に乗りやすいと感じました。
WRカーは非常にパワフルでスピードも出るので空力性能の高さも別格で、速度が上がれば上がるほど、それに適用していくといったイメージ。
例えば、同じ速度でコーナーに入っていっても、R5マシンより限界が高いため、ヤリスWRCの場合、まったくぶつかる気がしません。
あくまで自分が乗せてもらった仕様での印象ですが、足回りは少し硬いけれど、ストローク量自体は長く、ダンパーは「(初期の動きを)一瞬だけ硬くして、後は柔らかく」といったイメージです。
WRC名物のジャンプスポットでも、意外なほど滞空時間が短く「タ、タン」と着地するのですが、これも前述のダウンフォースや足回りのセッティングによるところが大きいと思います。
そして、トランスミッション。ヤリスWRCは6速シーケンシャルのパドルシフトを採用していますが、指一本でシフトが変わり、しかも変速時の振動はほぼありません。まるでゲームのようで、不思議な感覚でした。
WRCの技術で市販車も変わる?
ヤリスWRCは、このように様々な部分を鍛え上げられているが、新井選手は「WRCの技術をフィードバックすることで市販車も今後より良くなっていくと思います」と言う。
ラリーはいかなる路面・コンディションでも、車を旋回させなければならない競技。つまり、どういう状況でも曲がる車を作らなければならない。
そういった面でも、WRCの技術をフィードバックすることで、誰が運転しても乗りやすい車ができることに繋がるというのがその理由だ。
ヤリスWRCは市販車のヴィッツとまったくの別物でも、ヤリスWRCで培ったノウハウはヴィッツなどの市販車に生かされるという構図がWRCの面白いところだ。
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