絶滅危惧種か!? 大ブーム到来か!? 「MT」の行方はどっちだ

■操作がダイレクトにクルマの動きに反映されるのが、MT車の魅力

シフトダウン時に回転を合わせてくれるシンクロレブコントロールを採用したフェアレディZに続いて、MTの星ともいえるiMT。カローラスポーツ以外にも採用していってほしい

ドライブモードセレクトでSPORTモードを選択すると、iMTがスタンバイ状態になる。この状態で変速動作(クラッチ操作、シフト操作)を検出すると、変速後のエンジン回転数を合わせるよう制御することでスムーズな変速フィーリングをアシスト。また、発進アシスト機能はすべてのドライブモードで作動。発進時のクラッチ操作を検出し、エンジン出力を最適に調整(トルクアップ)することでクラッチのみでの発進操作をよりスムーズに行えるようにしている

MT車は両手足を使ってペダルとシフトレバー、ステアリングを操作するなど運転操作が複雑な分、ドライバーの腕の良し悪しがクルマの動き方にダイレクトに現れる。運転が上手くなりたいドライバーにとっては、自分の上達ぶりがクルマの動きによって判断できるのは、やりがいを感じるものだ。

カローラスポーツのIMTが賢いのは、ブリッピング機能を備えていること。MTでシフトダウンしてコーナーに進入する際、右足でブレーキペダルを踏みながら左足でクラッチペダルを踏み、シフトダウンしながら右足の踵でアクセルペダルを踏んでエンジン回転を上昇させて、シフト操作のショックを解消する行為「ヒール・アンド・トゥ」は、スポーツドライビングの醍醐味だ。

これを機械任せにしてしまうのは「もったいない」と思うMT乗りの気持ちも分かるが、知らないユーザーにまずはMTの楽しさを体感してもらうには、この高等テクニックを疑似体験してもらうことも必要なのだ。

流れるようにシフトダウンとコーナリングがキマッた時のスムーズなクルマの動きは、ゲームでは絶対に体験できない、リアルなドライビングの達成感を味わえる貴重な要素だ。

■マツダはMTの自動運転を目指している?

マツダのMT比率は全体の7.4%、 ドイツでは83%、英国では84% と段違い。日本のMT比率の内訳はアテンザは6%、アクセラは6%、CX-3は3% 、デミオ3% 、ロードスター(ソフトトップ)77% 、ロードスターRFは46%

マツダ内製のSKYACTIV−MT(CX-3)。手首の返しだけで意のままに操作可能なショートストロークの6速MTだ

このMTのダイレクト感と先進の電子制御、さらにはその先に控えている自動運転を両立することはできないのだろうか? その難題に挑戦している自動車メーカーがマツダだ。

マツダは自動運転の開発を続けている一方、クルマの運転がドライバーの気分をリフレッシュさせて脳を活発に、精神を健康にさせてくれるという考えから積極的に運転を楽しむクルマ作りを進めている。

通常はドライバーが運転を楽しみ、疲労が一定以上に溜まった時にAIが運転をサポートする。あるいはドライバーの体調が急変した時には自動運転に切り替えて、安全な場所や病院までクルマを運ぶ。そんな自動運転こそマツダが目指している自動運転だ。

マツダ車にMT車の設定が多いのは、役員クラスにMT好きが多いことが影響しているらしいが、それだけにMT自体にもこだわっている。

FF用のMTもコンパクトなMTをAKYACTIV-MTとして新しく作り直したが、わざわざNDロードスターでは極限まで軽量化とシフトフィールにこだわったMTを新開発したくらい、ある意味エンジン以上に力を入れている。

次ページは : ■MTを電動でリモートする時代が来る!

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