■兄弟車、新型スープラはどうなる?
まずは開発責任者の多田哲哉氏に、スープラを走らせたグッドウッドから帰国直後に直撃インタビューした内容からお届けしよう。
僕は86をスバルと共同開発しました。その時には他社と組んでクルマを作ることの大変さを思い知りましたが、BMWとの仕事の大変さはその比ではなかったですね。
初めてBMWのスタッフと顔を合わせたのが’2012年のこと。その時にはどんなクルマを作るかの青写真もなく、ただ「一緒にやろう」というだけだったのですが、その後「ポルシェに負けないスポーツカーを作りたい」と言ったら鼻で笑われました。「俺たちはポルシェもメルセデスもライバルと思ったことはない。BMWはBMWの道を歩んでいるんだ」と。
まずはお互いのクルマを知ろうということで自社のクルマを持ち合って試乗会を開いたのですが「トヨタ車に乗るのは初めて」という人ばかりで、86に乗って「意外とまともだね」なんて言われたり。今ではすごく仲良くやっていますが、はじめの2年は本当につらかったですよ。
でも、BMWのクルマ作りはすべてが衝撃的でした。BMWは設計図をトヨタの2倍作り、徹底的にシミュレーションを重ねます。テストカーを作る時には問題点はほとんど消されているのです。
またデザインも彼らはプロポーションをしっかり決めることを何よりも大切にしています。我々は早い段階からディテールに目がいってしまいがちなのですが、そこも異なるところで、今回BMWと一緒にクルマを作ることで学んだことはたくさんあります。ただ、インテリアの設計技術は明らかにトヨタのほうが上ですね(笑)。
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