記憶に残る最高のコラボ車はどれだ?【現行型&歴代車の採点簿】

■日本メーカー“コラボ”の歴史を振り返る。トヨタ2000GTはヤマハとのコラボで誕生した!

トヨタ2000GT開発当時の貴重な写真

自動車メーカー同士の協業、つまりコラボレーションは最近になって始まったものではない。トヨタ自動車とヤマハ発動機の関係性は非常に古く、1964年末にトヨタとヤマハは共同プロジェクトとして2000GTの開発をスタートさせたのだ。

トヨタが2000GTに相当するスポーツカーを開発するというプロジェクトは前年より立ち上がっていたが、当時の経験値では独自での開発が困難だった。一方、四輪車開発の壁に行き当たっていたヤマハは日産との共同プロジェクトが頓挫しており、両社の思いが一致したことで2000GT開発への道筋がついたのだ。

具体的には、トヨタ側の開発チームがヤマハの開発拠点に常駐する形でプロジェクトは進行。車体デザインやシャシーの基本設計などはトヨタ側が主導し、エンジンや内装、シャシーの細部のチューニングなどにはヤマハの技術が投入されたが、「1台の市販型自動車としてまとめ上げていく」部分ではやはり多くの経験を持つトヨタの力が大きく寄与したのは言うまでもない。

2000GTはトヨタだけでは完成できなかったし、もちろんヤマハだけでも作り上げることはできなかったモデルだ。2000GT以降もトヨタとヤマハの関係は継続し、DOHCエンジンなど、トヨタの高性能エンジン開発にはヤマハの技術、ノウハウが大きく活かされているのは有名な話である。

■まだまだある! 意外なコラボ車!

文/ベストカーWeb編集部

国沢光宏氏と鈴木直也氏に挙げてもらった意外にもまだまだコラボ車はたくさんある! これは外しちゃいけないと思ったコラボ車を一挙紹介しよう!

ISUSU ハンドリングbyロータス&イルムシャー

左上のジェミニイルムシャーはハードめの足でより走りの性能を高める狙い。ピアッツァにもイルムシャーは設定された。1990年にジェミニが3代目にフルモデルチェンジした際にもこのコラボシリーズは継続設定され、ハイパワー&ハイメカ化が進行した。最終的には1.6L DOHCターボ+180psでフルタイム四駆のイルムシャーRが登場。右上はジェミニハンドリングbyロータス、左下はピアッツアハンドリングbyロータス、右下はビッグホーンハンドリングbyロータス。上質で落ち着いた大人のスポーティといった雰囲気のハンドリング性能を目指した

1985年登場のFFジェミニはいすゞ独自の設計で、のちにGMの世界戦略車としてGMモデルも登場した。1986年には足回りのチューニングをドイツのイルムシャー社とコラボしたモデルを追加。イルムシャー仕様はジェミニ、ピアッツァ、アスカなどにも設定されることとなった。

また1988年にはイギリスロータス社と足回りチューニングでコラボした「ハンドリングbyロータス」を投入した。ジェミニやピアッツア、ビッグホーンにラインアップされた。

イルムシャー、ハンドリングbyロータスともに人気商品となった。勢い余ったのか、ISUSUの認定中古車ではアスカ・カゲムシャーやピアッツァ・ムシャブルイなどの商品化車を発売した。

■ありえないコラボが実現?! シャレード・デ・トマソ

1984年1月に登場したシャレード・デ・トマソターボ。マイナーチェンジした後も引き続きラインアップされ、デトマソ・ビアンカなどのモデルも発売された。カンパニューロのゴールドのアルミホイール+ピレリP8、デトマソのエアロパーツ、MOMO製ステアリングなど装備

マングスタやパンテーラなどエキゾチックカーを生産するイタリアのデトマソ社が、ダイハツとコラボして生まれたのがシャレード・デ・トマソターボ。なぜ世界のデ・トマソがダイハツへと疑問に思うが、ダイハツは当時、アレハンドロ・デ・トマソ氏が代表を務めるイノチェンティへエンジン供給(イノチェンティミニ・デ・トマソターボ)した関係でシャレード・デ・トマソターボが生まれたのだ。

■異業種合同コラボ「WiLL」プロジェクト

上/ヴィッツをベースにかぼちゃの馬車をモチーフにし、切り落とされたリアルーフはマツダキャロルを思わせるクリフカットのデザイン。左下/2001年4月に販売されたWiLL VS。カローラ系のMCプラットフォームを使い、ステルス戦闘機をデザインコンセプトに誕生。右下/2002年10月に発売されたヴィッツベースの5ドアハッチバック。デザインコンセプトはディスプレイ一体型ヘルメット。車載情報通信サービス、G-BOOKを標準搭載しているのがウリだった

  トヨタ、花王、アサヒビール、パナソニックなどの企業が参加した異業種合同プロジェクト、WiLLプロジェクトによってトヨタから2001年1月にVi、2001年10月にVS、2002年10月にサイファの3台が誕生した。

画期的な異業種コラボによるコラボ車だったが、クルマ以外の商品を含め、大成功とはいえず2004年には大多数の企業はプロジェクトを中止した。

 ■こんな意外なコラボもあった!

最後はアニメやウルトラマンとのコラボなど意外なコラボ車を紹介しよう。 これ以外にもハローキティ(三菱ミラージュ、ムーヴ、ミラジーノ)や阪神タイガース(ダイハツミラ、ekスポーツ&ekクラッシィ)、ディズニー(スマート)とのコラボ車なども販売されている。

2017年7月、円谷プロの「A MAN of ULTRA」が86とコラボした「M78×86」。343万5800~377万2400円

アニメ『機動戦士ガンダム』のシャア少佐専用モデルとして発売されたオーリス。2013年と2015年の2度にわたって販売

2012年7月、BMW MINIクーペとロードスターに設定されたギタリスト、布袋寅泰氏仕様車。展示専用で購入は不可

今年5月に製作が発表された光岡オロチとアニメ『デビルマン』とのコラボ車。限定1台のみで今秋に発売予定とのこと。写真は光岡自動車 創業者の光岡進氏(左)とデビルマン原作者の永井豪氏(右)

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