トラック特有の死角も電子ミラーでモニターに表示
残りの“2”の部分は、車体下部を中心とした横方向を映し出す。
運転席からの視点は、地上から3m近くになることから車体下部の死角が乗用車に比べて構造上、どうしても大きくなる。そのため鏡方式の時代からこうした車体下部専用のミラーが設置されている。
電子ミラーによる車体下部の映像は、前述した2分割モニターに表示されることから、車体後方の広範囲な視界(前述した8の部分)と同時に確認することができるため、ドライバーにとってはありがたい。
また、大型車専用のCMS機能として、右左折時に画角調整機能が自動的に機能して、車体の後部まで表示し続けるように、ステアリングの操作量に応じてモニターの画角を横方向に調整する。
また、一般的となりつつある「ブラインドスポットモニター機能」だけでなく、高速道路などでの追い越し時、元の車線に戻る際のタイミングをモニター内に表示することも可能。
普通の“鏡”も併用!? 老眼にはピントが合わせにくい課題も
しかしながら課題も。
左右のAピラーに装着されるモニター以外にも、大型車には車体前部や助手席側の車体側方直下を確認するためのミラーの類いが必要で、取材した新型アクトロスの場合は、これら車体前部や側方直下のミラーは従来の鏡方式のまま。
運転中のミラーと目視による安全確認は一連の運転操作のなかで行われるが、液晶モニターと鏡では当然ながら解像度が違う(モニターが低い)ため、対象物との距離感やサイズ感に相違が生じている。
また、左右どちらかにステアリングを操作している際も、モニターと鏡では被写体の動きに違いがあり、シャッタースピードの遅くなる夜間では顕著だ。
また、これは筆者がやや老眼気味だからかもしれないが、今回のような左ハンドル車の場合、左前のAピラーに装着されたモニターが眼に近く、ピントが合わせ辛くなる瞬間も確認できた。
とはいえ、電子ミラーには鏡方式ではできなかったさらなるADAS(先進運転支援システム)機能の追加や、自律自動運転の「レベル2」以上では自車周囲の車両検知機能としても活用できることから、この先の発展を期待したいと思う。
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冒頭でも触れた乗用車初のミラーレス車となるレクサス ESは、今回の新型で日本初導入(海外では1989年の登場以来6世代に渡って販売)。
全長4.9m級のラージセダンで駆動方式はFF。価格は580万~698万円。注目の電子ミラー(デジタルアウターミラー)仕様は標準装備ではなく、最上級の「バージョンL」に21万6000円のオプションとして設定。新型レクサスESについては後日じっくり紹介レポートをお届けします。
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