ナイトライダーの世界が現実に! クルマと対話時代に突入!「音声認識」最前線

■新型3シリーズは「ヘイ、BMW」

2018年10月に発表された新型BMW3シリーズにも、クルマと話せる機能がついている。日本発売は2019年春頃

BMWも次世代の車載コネクティビティシステム、BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントを2019年3月から導入すると発表している。すでに2018年10月に発表されたBMW3シリーズにも搭載されている。

このBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントは、ユーザーは運転中、「ヘイ、BMW」と呼びかけることにより、音声アシストが起動。ユーザーが求めるさまざまな機能や情報に、安全にアクセスできる。

例えば運転中のドライバーに代わって、BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントが、音声認識によって車両のナビゲーションシステムや空調をコントロール。

ドライバーが「BMW、私は疲れている」と呼びかければ、ドライバーの眠気を覚ますために、音楽や空調を最適に調整してくれる。

「ヘイ、BMW」と話しかけると音声アシストが起動し、さまざまなリクエストに応じてくれる

人工知能(AI)とオープンモビリティクラウドを活用することにより、このシステムは性能を常に向上させる。ソフトウェアは定期的に、無線によるアップグレードを受ける。

BMWは2019年3月から、BMWの各モデルに順次投入、世界23言語に対応するとしている。当然、2019年前半に発売を予定している新型3シリーズにも搭載してくるはずだ。

■日本車メーカーはどうなっているのか?

クラウンやカローラスポーツ、レクサスLSなどに採用されているコネクテッドサービスは、ナビに話しかけるだけで、エージェントが音声で応えて目的地や情報の検索をしてくれる。目的地のセットまですべて音声で操作できるのでドライブ中も快適便利。期待した回答が得られない場合などは「オペレーター」と発話することで、有人オペレーターに接続。これまでのエージェントとのやりとりをオペレーターが引き継いでお客様のリクエストに対応してくれる

トヨタの音声認識システムは、データ・コミュニケーション・モジュール(DCM)と呼ばれる車載通信機による情報収集機能とインターネット上のクラウド情報を組み合わせて音声情報の処理を実施する「ハイブリッド」方式を採用。自社開発した情報収集と制御技術を活用したシステムを構築している

いっぽう、日本メーカーはどうなっているのか? トヨタは独自開発の道を歩んできた。アップルにもグーグルにも基盤技術で与せず、トヨタはクラウンやカローラを手始めにデンソー(と富士通テンを買収したデンソー・テン)などともに、コネクテッド技術を開発している。

メルセデスもトヨタどちらも車載音声認識システムとしては、車載通信機とクラウドの双方で音声認識処理を連携して行う、前述の「ハイブリッド」方式を採用しており、図のような自社で開発した情報収集と制御技術を、ソフトウェアのメーカーと対等の立場でシステムを構築している。

ちなみにトヨタは人工知能について自社開発しているが、ダイムラーと同様に「CES2018」において、アマゾンの音声AIアシスタント「Alexa」を2018年後半にトヨタ/レクサスブランドに導入すると発表している。このあたりが現実のビジネスと将来に向けた技術開発をバランスさせるトヨタ流のやり方だろう。

いっぽう、日産と三菱、ルノーの3社連合は、2018年9月18日、次世代の車載情報システム分野で米グーグルと提携したと発表した。

グーグルの基本ソフト(OS)、アンドロイドをベースに、カーナビや娯楽など多様なサービスを利用できるシステムを開発、2021年から3社の車両に搭載する。グーグルのノウハウを活用し、ネットワークに常時接続して情報をやりとりする「コネクテッドカー」(つながるクルマ)の普及を加速させるという。

次世代システムでは、クルマに搭載した音声認識機能を使い、メールを送ったりレストランを探したりすることが可能。

カーナビに目的地を入力すると、スマートフォンとの連動により駐車後の徒歩での移動も一括案内するといった使い方が想定される。車両の異常をシステム上で遠隔診断し、ドライバーに点検や修理を促すこともできるという。

次ページは : ■今後は音声のほか、感情も認識する時代へ

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