3/エンジンブレーキを効果的に利用する
走行中にアクセルを閉じるとエンジン内部の機械的な抵抗などによって減速効果が得られる。
これが「エンジンブレーキ」、通称「エンブレ」の正体で、エンブレ時はエンジン回転数が高止まりし、状況によっては上昇するため「燃費がかさむのでは?」と、考えているドライバーは意外に多い。
しかし、そんな心配は無用。「エンブレ」の最中はエンジンは仕事をしていない状態にあり、回転数が高くても燃料消費量は極端に低下する。
しかも、一定の回転数以上にあるときはコンピューターが減速時であることを感知して燃料の供給を止める「フューエルカット」が作動するからで、燃費を考えるならむしろ積極的に利用するべき。
「エンブレ」で速度調整を行いつつ走らせればギクシャクした加・減速がないぶん、スムーズに走れ、燃費的にはむしろ有利となるからだ。
4/不要な荷物は降ろす
重量が増加すると発進・加速時により多くのパワーを必要とするため、発進・加速・停止が繰り返される走りでは燃費が悪化する。
このため、発進・加速・停止を繰り返す街中の走りは、無駄な荷物は燃費を悪化させる原因となる。過去に行ったテストでも街中の走行を想定した短い距離で発進・停止を繰り返す走りを2名乗車時と、荷物の代わりに乗員を増やした4人乗車とで比較した結果、なんと約1/10まで低下してしまった。
ただし、これはかなりハードな状況下でのデータで、走行条件によってはこれほどの差はでない。
重量が増加すると慣性モーメントが高まることで走り始めてしまえば勢いがつくため、平坦路における定速走行ではそれほどの影響は受けないからだ。
また、重量が増加すると制動距離が伸びるため、ブレーキング時間が伸びることで燃料カットが働く時間も長くなり、状況によっては燃費に有利に働くこともある。
それゆえ、一概に重量増が燃費に悪いとはいえないのも事実だが、短い距離でゴー&ストップを繰り返す街中や渋滞路の走りでは確実に悪影響する。燃費を優先するなら不要な荷物は降ろしておくことが大切だ。
5/タイヤの空気圧を定期的にチェックする
タイヤの空気圧が少ないと接地面積が増加し、サイドウォールにタワミが発生することで「ころがり抵抗」が増加。より多くの駆動力が必要となるため、必然的に燃費は悪化する。
これを確かめるべく私が過去に行ったテストでは既定値の200kPa(2.0kgf/cm2)に対し25%落としの150kPas(1.5kgf/cm2)で走行した場合、8.4%もの燃費の低下を招いた。
■指定空気圧と30%低い空気圧で行った比較テストで30%低い空気圧は燃費が8.5%悪化
国民生活センターが実施したテストでも「タイヤの空気圧が指定空気圧よりも30%低下した状態で走行すると、指定空気圧の状態で走行した場合に比べて、8.5%も燃費が悪化する」という結果が出ている。タイヤの空気圧は正常な状態でも自然に低下するため注意が必要だ。
その低下率、走行中も監視可能な空気圧モニターシステムで長期間、継続してモニターした経験から1カ月平均10kPa(0.1kgf/cm2)は低下することを確認している。
それゆえ、できれば1カ月に1度、最低でも半年に1度はチェックする必要がある。
ちなみに、必要以上に幅の広いタイヤを組み付けたり、ホイールアライメントの狂いなどもころがり抵抗が増える原因となり、燃費を悪化させる要因となる。
また、希にあるのがブレーキの引きずり。キャリパーの戻りが悪いとタイヤの回りが重くなり当然、燃費は悪化する。
ハンドルを取られるなど思い当たることがあったり、年数が経過したクルマでメンテナンスを怠っていたなら、念のためプロに点検を依頼したい。
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