■ホンダはスバルやマツダよりも国内市場を考えている!?
いつからこんなことになったのか。シビックの変遷を見ると、2005年登場の8代目から3ナンバーサイズになっている。
アコードが全モデル3ナンバーになったのは2002年の7代目から。そのあたりが分水嶺と見ていいだろう。
背景にはいろいろな要因があるが、ひとつには、世界的なボディサイズの拡大傾向がある。アメリカ車はもともとデカかったが、それに対して日本車は、コンパクトで高品質・低価格・低燃費で売ってきた。
ところが北米市場で競合するドイツ車のサイズが、どんどんデカくなっていった。
たとえばBMW3シリーズだと、1998年登場の4代目から3ナンバーサイズになっている。衝突安全基準も年々厳しくなり、21世紀に入ると韓国車の脅威も加わって、多くの日本車が本格的に追随せざるを得なくなった。
これはなにも、ホンダに限った話ではない。トヨタも日産もマツダもスバルも同じ。欧米や中国市場では、VWゴルフに代表されるクラスですら全幅1800mm前後が当たり前になったのに、日本車だけが小さいままでいたら、デザイン面や安全面で取り残されてしまう。
全世界的なボディサイズの拡大と同時に進行したのが、日本国内市場での急速なセダン離れだ。
20世紀中はそれでもギリギリ、セダンやそこから派生するハッチバック&ワゴンはクルマの基本形と言えたが、21世紀に入ると、ミニバンや軽ワゴンなどの箱型車のシェアが急拡大。セダン系はまったく売れなくなった。
1980年代にはマークII三兄弟が月に2~3万台も売れていたのに、今やマークXは月に1000台も売れていない。市場が数十分の1になってしまった!
セダン離れは全世界的な傾向ではあるが、日本は特に極端。今や国内で売れるのは、軽が4割、ミニバン系が2割だ。
軽はもちろん国内専用だし、ミニバンの主流である5ナンバーモデルもほぼ国内専用。日本は、国内専用モデルが6割を占める一方、セダン系は1割を大きく割り込むという、超特殊市場になった。
こんな市場に合わせてセダン系を開発したって、最初から売れる見込みがない。ならば欧米や中国の需要に合わせてデカくしたほうがいい。経営者ならそう考えるのがアタリマエだ。決してホンダの罪ではない。
なのになぜ、反ホンダ感情が高まるのか?トヨタは日本を代表する企業として、日本市場を重視する義務を感じており、いまだに国内専用モデルを多数持っている。
これはトヨタの販売力があってこそできることで、他社はまねできない。一方、マツダやスバルは完全な輸出志向で、軽の開発からも撤退し、ほぼすべてがグローバルモデルになっている。
この2社のほうがホンダよりも国内市場を「捨てている」のだが、日本のクルマ好きから支持されている。
彼らは、小さいながらも独自の技を持って世界で頑張るアスリートのような存在。つまりイチローだ。イチローを応援しない日本人はまずいない。
その点、ホンダや日産はどっちつかずに感じるのだ。マツダやスバルより規模が大きい分、尖りの少ない一般向けモデルが主力で、それらはマニアには刺さらない。
NSXやGT-Rのような、世界に誇る技術を持ってはいるが、現行モデルはどちらも高価すぎて、日本のクルマ好きには手が届かない。それがまた、「オレたちを捨てた」という感情を昂らせるという循環がある。
さらには、ホンダも日産も、現在のデザインテイストは日本人好みとは言いがたい。どちらも主力は北米と中国市場。
彼らの好みに合わせれば合わせるほど、デザインはエグく大味になり、日本のクルマ好きは捨てられた感を強くする。
ホンダは、軽はすべて国内専用だし、ステップワゴンやフリード(一部アジアでは販売)、シャトルなどの国内向けモデルも開発している。
マツダやスバルよりも日本市場を大事にしているのだが、クルマ好きが注目するモデルがやたらデカくて高くなったことで、「ふざけんな!」という反発を生んでいる。
が、ホンダがこの路線を変更することはないだろう。なにしろ、グローバルでの業績は好調。2012年との比較だと、売上はなんと2倍に増えていて、増加率ならトヨタを大きく上回っているのだ。
「今のホンダ車はカッコ悪いしつまんない」「売れてるのは軽のN-BOXだけ」というイメージは、国内だけのものなのだ。
コメント
コメントの使い方高いのはともかくデカいの゙は困るけど、海外を想定して作っているモデルは日本の道路に合わないのは仕方ないかな。
普通に5ナンバーの車も売っているのでまあそれを選ぶしかないですね。別に200馬力だ300馬力だって車も必要ないし。(それこそ日本の道路に合っていない)
今、RSでもないゆる~いフィットに乗ってますが、高速でも快適ですしね…
いや、そういう事を言っている記事ではないのは分かりますが…
40代以上にとって、カローラは底辺ファミリーなのに。250万円~は無い。30年前ならマークⅡが買える。インプレッサも同じ。運転不適格人間のためのくだらない装備と環境破壊インチキ・ハイブリッドで100万円以上も上乗せしている。
シビックタイプRやs660のような車を開発して発売するようなメーカーが日本市場を見捨てているわけないでしょう!ホンダらしさはまだ捨ててない!
s660なんて日本でしか売れないような車だし、シビックタイプRも日本でもちゃんと発売してくれた。
WRXを諦めたスバル、ランエボをやめた三菱、ドイツ車になったスープラ、スバルになった86…
スポーツカーを諦めないホンダは未だにホンダらしさ全開でしょう!
先日アメリカから帰ってきましたが、向こうではホンダ、スバル、マツダはとても元気です!
日本では珍車CRVに乗ってましたがアメリカではそこらじゅう走っています。クラリティだって街中で普通に見かけるレベル。
アメリカで見る限りホンダは安泰だなぁと安心しました。日本ではN-WGNをセカンドカーにしています。
ホンダの軽は他社の軽に比べて圧倒的に良いです。日本ではそれでいいと思います。
デカすぎ・・同感です。それにペキペキと折り紙みたいなデザインも色気なし。よく売る気になりましたね。ロボットは描けても車の画が描けるデザイナーがいないのなら外注したらどうでしょうね。ま、今までのホンダの所業から見るとある日突然正反対の事をやり出しますので、そちらに期待します。