自動車税の減税がいよいよ現実味を帯びてきた。来年度の“減税”案として、経済産業省がまとめた引き下げ要望の内容が明らかとなった。
現在、自動車税は排気量を基準に概ね500cc刻みで設定されている。その1cc当たりの税額が、なんと軽自動車税並みとすることが検討されているのだ。
仮にこの引き下げ案が実現したとすれば、特に買い得感が高まるホットな排気量帯は1501cc~2000cc。
ここに該当するエンジンを積む車は、コンパクトからSUV、セダンまで多彩なバリエーションがあるほか、ターボエンジン車も多く、動力性能に対する自動車税額で見ると、かなりお買い得感が高まることになる!
文:渡辺陽一郎
写真:編集部
自動車税が軽自動車税並みに安くなる!?
経産省がまとめた自動車税の引き下げ要望によると、軽自動車と同様に1cc当たり16円に設定する(軽自動車は年額1万800円÷660cc=約16円)。
そうなると1501~2000ccエンジン搭載車の場合、年額3万2000円になる(16円×2000cc=3万2000円)。今の自動車税は3万9500円だから、7500円安くなるわけだ。
ちなみに今の自動車税は、1000cc以下が2万9500円、1001~1500ccが3万4500円だから、経産省の案では、2000ccはこの中間的な税額になる。
【スポーツモデル】シビックタイプRは1馬力100円で超買い得
2000ccエンジンを搭載したスポーツモデルといえば、筆頭に挙がるのはトヨタ86とスバルBRZだろう。
最高出力は6速MTなら207馬力で、高回転域の吹き上がりは抜群に機敏だ。改良を受けて実用回転域の駆動力も高まった。売れ筋のスポーツカーだけに、自動車税を下げたことによる販売増加の効果も期待できる。
シビックタイプRは、ターボの装着で動力性能を大幅に高めた。自然吸気(NA)エンジンであれば、4L車に匹敵する。“動力性能に対する自動車税額”という見方をすると、最高出力が320馬力で年額3万2000円になれば、かなり割安だろう。1馬力当たり100円だ。
【SUV】2L級多いミドルクラスはエクストレイルが際立つ
ミドルサイズのSUVにも、2Lエンジン搭載車が多い。
CX-5の2Lガソリンエンジンは、前輪駆動の2WD専用で動力性能が少し足りないが、エクストレイルはパワーのバランスがちょうど良い。2LはNAガソリンエンジンと、ハイブリッドの2種類を用意している。
特にエクストレイルは、後席を含めて居住性が優れ、荷室も広くて使いやすい。そのために子供が就学年齢に達したファミリーユーザーも多い。出費の増える世代だから、自動車税を7500円節約できるメリットは大きい。
ハリアーは2LのNAエンジンとターボを用意する。ターボは3.5Lエンジンに匹敵する動力性能を発揮するから、性能と自動車税のバランスという意味では割安だ。
内装は上質で、後席を含めて居住空間も広い。快適性はLサイズセダン並みで、ステーションワゴンの実用性も兼ね備える。そのために価格は高めだが、人気車となった。
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