すでに日本市場でも発売開始されいてるアルピーヌA110。これまでは抽選販売となったローンチエディションのみだったが、ついにカタロググレードも日本に上陸。
そんななか「欲しかったのに抽選に外れた」と嘆く大物ドライバーが。その名は鈴木利男氏。ご存じ元レーシングドライバーにして、日産GT-Rの開発ドライバーだ。
A110はすんごく評価が厳しい「利男さん」のお眼鏡にかなうのか!? 今回は試乗会で徹底チェック。A110、ドラテク習得にピッタリって本当ですか?
文:鈴木利男/写真:平野学、池之平昌信
ベストカー2018年11月26日号
■フランスの伝説が再び日本に!!
1995年に活動を休止していたアルピーヌが復活。1970年代に一世を風靡したライトウェイトスポーツ、A110が現代の技術で甦った。
2018年6月に登場したデビュー限定車プルミエールエディションは限定50台のところ1000人以上の応募が殺到。
その後、9月にカタログモデルとしてA110ピュアとA110リネージが発売となり、その試乗会に達人・鈴木利男氏が参加。
実は利男氏、デビュー限定車に申し込みながら抽選に外れていたりするのだが、だからこそカタログモデルの登場に興味津々。以下、利男氏の評価コメントを紹介しよう。
■異例なほど長い足回りのストローク
一般道、峠道、サーキットで走らせたアルピーヌA110は二面性を持ったスポーツカーだと思いましたね。
一般道を走っている時はとても普通。でも、ペースを上げるほどにエンジンと足回りのよさが際立ってくるんです。
最大の特徴は車重が1110㎏しかない軽さで、しかもミドシップだからフロントがさらに軽い(前後重量配分は44%:56%)。この軽さがアルピーヌの走りの印象を決めていると言えるでしょう。
一般道では淒く普通で、スポーツカーに乗っているという感覚があまりありません。乗り心地は硬めですが、チープな突き上げがくるものではなく、足がちゃんと動いている印象。
よく言えば扱いやすいクルマということですが、エンジン(直4、1.8Lターボ)の音も含め、もう少し特別感が欲しいとも思います。
ただ、これは個人的な意見で、この乗りやすさを歓迎する人も多いでしょう。乗り降りもラクだし、買い物や通勤でも気楽に使えそう。これはちょっと意外でしたね。
本領を発揮するのはペースを上げてから。軽さはもちろんですが、サスペンションがしなやかなんです。
最近のスポーツカーとしては異例なほどストロークが長く、ロールもけっこうするのですが、足が動いてもタイヤはしっかり路面に接地していて、だから滑り方もスムーズ。唐突な動きがいっさいないから運転が淒く楽しい。
コメント
コメントの使い方