■自分の運転がクルマの動きになって表れる
エンジンもドライバーの意思に忠実にパワーとトルクが出て違和感がありません。
252ps/32.6kgmというスペックは、最近のスポーツカーのなかではそれほどパワフルなわけではありませんが、高回転までしっかりとパワーがついてくるし、実力は充分です。7速DCTのレスポンスも合格。
峠道とサーキットを走って思ったのは、淒くドライビングの練習になるクルマだなということ。
正しく乗れば、正しくスムーズに動いてくれます。自分の運転に対して動きが素直に表われるんですね。
前後左右の荷重をドライバーのかけたいようにかけられて、コーナリング中の高荷重時にステアリングを切り足した時の反応も悪くない。
ハイドロリックコンプレッションストップ(ダンパー内にセカンドダンパーを配し、バンプラバーの代わりにしているシステム)の効果なのか、ストロークの最後の最後にヘタることもありません。
ハイパワースーパースポーツは限界がどこにあるのか探りながらの運転になりますが、このクルマは全開で飛ばしていても楽しくてニヤリとできます。
前後のバランスを取りながら思いどおりに動かせるんです。もちろん軽さも効いていて、慣性を気にせず、思い切って攻められるんですよ。
そうは言っても、根本的にはサーキットでタイムを追求するクルマではないと思います。絶対的な速さよりも挙動を楽しむクルマ。
足を固めてハイグリップタイヤを履き、シャカリキになってタイムを詰めるクルマではなく、もっと気軽に運転を楽しむクルマですよね。
競合車はポルシェ718ケイマンでしょう(ベースグレード673万円、ケイマンS849万円)。
普通に走っている時はケイマンのほうがスポーツカーらしさを感じますが、アルピーヌのよく動くサスペンションや軽さはフランス車らしさに溢れています。
抽選に外れたのは残念でしたが、今回乗ってやはり「欲しいな」と思っちゃいましたね(笑)。
【アルピーヌ A110ピュア主要諸元】
全長×全幅×全高=4205×1800×1250mm
ホイールベース=2420mm
車重=1110kg
エンジン=1.8L 直4ターボ
トランスミッション=7DCT
タイヤ=205/40ZR18(F) 235/40R18(R)
価格=790万円~
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