■「規制下ではチェーンを履かないと違反になります」
前述の規制が一部地域で限られた時間で行われることはおわかりになったと思う。
大きなトピックとしてはこの規制下ではたとえスタッドレスタイヤを履いていても、チェーンを履かないと通行ができないということがある。
しかし車種によってはチェーンを装着していてもスタックする、もしくはスタッドレスタイヤのみでも通行できるケースも充分に考えられる。
それについて国土交通省はどう考えているのだろうか。
「駆動方式や車種によって走行性能に差が出ることも個人的には理解しております。しかしトラックはダメだけど4WDのSUVは大丈夫、というようなやり方はできないのも実情です」。
このように国土交通省の担当者は語る。しかし「チェーンさえつけていれば進める」というのでは更なる交通混乱を招く可能性も大きいという指摘も多い。
さらにどうやってチェーン装着車のみ車列の前に出して通行させるのか、待避所やチェーン交換場所などの用意はどうなっているのかなど、疑問は尽きない。
ちなみにであるが今回の規制は道路法46条に基づいているものであり、違反車両には罰金以上の刑罰が科せられる可能性があるとのこと(道路交通法の反則金制度は適用外)。
■規制の詳細が見えてこないが大丈夫か!?
2018年12月上旬から施行されるというこの規制。困ったことに2018年11月16日現在でも、どの地方のどの道路で実施するか発表がない。
規制対象地域の住人からすればチェーンがないと生活ができないケースに陥ったり、その地域を通行するトラックやバスなども大きな影響を受ける。
電話取材の様子からするともう間もなく発表にはなりそうだが、冬期道路交通確保対策検討委員会は2018年2月から設置されているわりには決定が遅いのは問題だ。
またこの冬期道路交通確保対策委員会にもやや疑問が残る。
メンバーは大学教授など交通や防災のスペシャリスト、大手新聞社などを招聘しているのだが、タイヤメーカーや、自動車メーカーなどの名前はない。
どれくらいの勾配や積雪量でスタックの危険性があるのかなど、自動車メーカーやタイヤメーカーは多くのデータを持っているはずだ。
それに基づき「この道路ならチェーンでがあれば進める」、もしくは「この道路はチェーン装着でも難しい」などの判断ができると思う。
全車種にチェーンの装着を求めるという今回の規制。それが現実的に有効なのかは実際にやってみないとわからない。
とはいえ、2017年の大雪ではスタッドレスタイヤもチェーンも履いていない大迷惑ドライバーも多かった。
少しでもこのニュースで雪道への危機感を持ってくれるのであれば、今回の規制も歓迎すべきなのかもしれない。
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