■走りは新井敏弘氏が監修「Tuned by TOSHI ARAI」
そんな富士スバルとタッグを組み、性能や乗り味を監修したラリードライバーの新井敏弘選手は、
「TC380は、WRCや全日本ラリーなど、私が国内外のラリーフィールドで培ったノウハウをフィードバックしたクルマです。ドライバーが納得して自らの選択に自信を持つことができるよう合法的にパワートレーンをチューンしました。
サスペンションやエアロなどは個人でカスタマイズを楽しんでいただく前提としています。WRX STIとともに磨かれ続けたEJ20エンジンを真に愛していただける方に乗っていただきたいですね」と、スバル車を大切に愛する人に届けたいとの思いを語った。
■圧倒的に乗りやすく、体感的にも380psが実感できる
注目のパワートレーンは、高出力と高レスポンスを両立できることで知られるHKSのGTIIIと呼ばれるタービンキットと、低背圧を極めた排気系により、約380psをマークする。
追求したのは馬力の数字ではなくドライバリティで、TC380に乗ると、高回転域で炸裂するパンチが露骨にスゴイので、相対的に低回転域の印象が薄れるところがあるが、実は低速トルクが非常に厚くなっているので、どんな場面でも圧倒的に乗りやすい。よい意味でチューニングカーらしさがなく、自動車メーカーが手がけたコンプリートカーに遜色がない。
EJ20エンジンの積年の課題だった、ターボを高回転まで回した時のオイルの攪拌抵抗の大きさと、アクセルを踏み込んでから過給圧が高まるまでのトルクの細さを解消させる方向に仕立てられた。
HKSのGTIIIはフローティングメタル式なので、タービンのインペラ(羽根)を包み込み排ガスを加速して過給することでボールベアリングに遜色のない速さのレスポンスを実現する。
ブーストがかかる前の領域は低背圧を極めたマフラーの効果で、まるで大排気量NAエンジンのように負圧域からスッと前に出るトルクが発揮される。S#モードで全開にすると、公道では恐ろしさを感じるほどにパワフルで、体感的には掛け値なしに380psが出ていると思えた。
開発を手がけたエンジニアによると、最新型EJ20の潜在性能からして380psは「序の口」レベルの出力で、要望があれば合法な範囲でのチューニングでもさらに上のピークパワー引き出せる。出力的な発展性が他のコンプリートカーとは異なる点であるという。
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