初心者必見!! 「ディーゼル車ならではの注意点」とは?冬場こそ注意を!!

最近、ディーゼルエンジン搭載車が増えて、身近に感じられるようになってきました。でも初めてディーゼル車に乗る人は、知らないことばかり、不安だらけなのではないでしょうか?

そんなディーゼル初心者のために、最低限知っておきたいディーゼル車の燃料・軽油のこと、時節柄、ディーゼル車で温暖な都心から寒冷地へ行く時に注意しなければいけないことがあります。

さらに尿素SCRを入れるディーゼル車は尿素が切れたらどうなるのかなど、さまざまなディーゼル車ならではの注意点をモータージャーナリストの高根英幸氏が解説します。

文/高根英幸
写真/ベストカーWeb編集部、Adobe Stock


■ディーゼル車、軽油について最低限は知っておきたいこと

最近日本ではディーゼル車が増えてきたが、気を付けなければいけないことは?

さて、ガソリンも軽油も石油を精製、蒸留して作られる燃料だ。ガソリン、軽油といった成分は存在せず、実際には様々な形に炭化水素が結合した分子を、沸点によって石油の成分を分けた時に、最も軽いのが天然ガス、次いでナフサ、その次にガソリン、ジェット燃料や灯油、軽油、重油の順で、最後にアスファルトに分類されているのだ。

ガソリン、軽油、灯油、ジェット燃料などさまざま燃料に分類される

ガソリンは軽油よりも揮発しやすい燃料油で空気と混ざりやすいため、火花点火で爆発的な燃焼をするのに適した燃料だ。

ガソリン同様に沸点の低いナフサは様々なプラスチックの材料となるだけでなく、改質してガソリンを作ることもできるし、そのほかにも石油由来のさまざまな製品の原料として使われている。ジェットエンジンの燃料や灯油(実は、この2つはほぼ同じようなモノ)も、軽油よりも沸点が低い(比重の軽い)燃料油だ。

軽油の主な成分はアルカンという炭化水素分子で、ガソリンと比べるとわずかに粘度があり、揮発性が少し低い。ガソリンのほうが引火性が高いのに対して、軽油は自己着火性が高いというのも特徴だ。

ディーゼルエンジンは空気を圧縮して高温高圧になったところに燃料を噴射して自己着火させるので、燃料の自由度がガソリンエンジンよりも広い。乗用車用ディーゼルエンジンは、高品質な軽油を用いることを前提に設計されているが、そもそものディーゼルエンジンは様々な燃料に対応できる内燃機関なのだ。

軽油のセタン価はガソリンのオクタン価に相当するもの、と考えればいいだろう。ガソリンのオクタン価は高い方が燃えにくい。これはプラグ点火による燃焼を精密にコントロールするために燃えにくい方が良いとされているからだ。

それに対してセタン価は、高温化での燃えやすさを示す数値だ。ディーゼルは火花ではなく、高温の空気に触れることで自然発火させるため、反応が良いほど燃料噴射のタイミングで狙った通りの燃焼を行ないやすくなる。

ディーゼルエンジンが燃料噴射のタイミングによって燃焼を緻密にコントロール(1回の燃焼で3回から5回くらい燃料噴射を小刻みに行なっている)するためには、燃料の品質を管理する必要があるのだ。

それだけにディーゼル車の燃料ポンプやインジェクターは、ガソリン車以上に精度や性能が追求されている。エンジンも燃焼圧の高さから頑強に作られていて、ターボやEGRなどの補機類もガソリンエンジンより複雑で大規模となることから、エンジン自体の生産コストがガソリンよりも高い。

だからガソリンとディーゼルの両方があるクルマは、ディーゼルのほうが車両価格が高額なのだ。燃費がいい分、ディーゼルは年間走行距離の多いユーザーほど恩恵に預かれるのである。

機械式のインジェクションであった昔のディーゼルは、ポンプが機械式時計のように精密で、エンジンのように暖機してクリアランスを適正な状態で本格運転しなければ寿命が短くなってしまうことから、分かっている運転手は入念に暖機運転していたものだ。

現在の電子制御式インジェクションになってからは、制御が緻密になった分、構造はある意味単純化されたけれど、それでも燃料の供給圧は高められ続けている。

最新のディーゼル車では燃料を2000気圧もの高圧で圧縮して、反応の素早いインジェクターで噴射することで高トルクと省燃費、クリーンな排ガスを実現しているのだ。

■ディーゼル車ならではのトラブルを予防する扱い方は?

積雪地方に行くならご当地のガソリンスタンドで給油すべし!

何も知らずに都内で入れた軽油を入れたまま積雪地方に行くと凍ってしまう!

現在、ディーゼル車に乗っていないドライバーでも、今後レンタカーなどでディーゼル車を利用する機会もあるだろう。そのため、最近のディーゼル車の取り扱いについて、基礎的な知識は覚えておく必要がある。

日常的な乗り方については、今やディーゼルは何もガソリン車と違うところはない。気を付けるとすれば、やはり燃料の違いによる部分だ。

ガソリンよりも粘度がある軽油は、低温になっていくと流動性が低下してしまう、という弱点がある。低温になるとワックス分が析出して最終的には固まってしまうのだ。

一般的な軽油は1号軽油と呼ばれるもので、マイナス1度以下になると凝固してしまう可能性があるため、首都圏のガソリンスタンドでも冬場は2号軽油というマイナス5度まで凝固しないものに地下タンクの軽油を入れ替えて供給している。

寒冷地では、さらに凝固点が低い3号軽油を販売している。したがって寒冷地へ行く際には、途中で給油して、さらに現地で給油し、タンク内の軽油を混ぜて凝固を予防するようにすることが大事だ。

高速道路のSAにあるガソリンスタンドでは販売している軽油の種類がHPなどで確認できる。軽油に混ぜて使う凍結防止剤を購入しておいて、クルマに積んでおくのも予防策としていい。

ちなみに南極観測隊が使う車両はディーゼルエンジンを搭載しているが、その燃料は特3号という一番流動点の低い(マイナス30度以下!)規格だが、極寒の南極では燃料が凍らなくても、寒過ぎてエンジンが始動しないので、ファンヒーターで冷却水を温めてからエンジンを始動させるそうだ。

■軽油のJIS規格

■尿素水が切れたら動かなくなる? トロトロ走ったら?

メルセデスベンツの給油口は、右が軽油、左がアドブルー(尿素水)を入れる方式

マツダ車は他社と違って尿素SCRを入れる方式ではない

最近のマツダ車を除くクリーンディーゼルでは、尿素SCR触媒を採用しているクルマが多い。この尿素水(アドブルーとも呼ばれる)は、ガソリンスタンドでも購入できるものだ。

タンクにはセンサーが装備されていて、残量が少なくなると警告灯が付く。点灯後も1000kmくらいは走れるので、通常は尿素水が切れてしまうということはないが、もしも完全に空になってしまったら、エンジンを始動できなくなるので注意しよう

ディーゼルエンジンはNOxの発生を減らすように燃焼温度を下げたり、燃料を多めに噴射してやると、今度はPM(パティキュレート・マター=黒煙の主成分であるスス)が増えてしまう。

これを解消するために、後処理装置として、マフラーにはDPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)という多孔性のセラミックでできたフィルターがある。

ここで捉えられたススが一定以上に溜まると、燃料を吹いて再燃焼させることでPMを分解するのだが、近所の買い物ばかりに使っていると、DPFが詰まりやすく、EGRバルブなども同様にトラブルを起こしやすい。つまり、トロトロ走っていると煤が溜まりやすいのだ。

ガソリンエンジンのクルマも街中をゆっくり短時間走るだけの繰り返しでは、カーボンが溜まり、調子を崩す。月に1度は遠出をして、高速道路を走ってやる方がクルマは良いコンディションを保てるものだ。

最新号

ベストカー最新号

トヨタ&スバル共同開発!! ウルトラAWD車が登場? |ベストカー11月10日号

 ベストカーの最新刊が本日発売!  最新号では、トヨタとスバルの新業務資本提携で生まれるウルトラ4WDの重要情報をお届け。ベストカースクープ班が独占入手した情報を詳しく紹介する。   そのほか東京モーターショー2019に出展される日本&am…

カタログ