アコード、シビックらは「売れないジンクス」を破った!! 逆輸入車列伝

■ジンクスを破った逆輸入車列伝2/アコードU.Sワゴン

1991年4月に販売されたアコードUSワゴン。エンジンは2.2Lのみ。逆輸入車としては大ヒット

ホンダは1991年から、アコードワゴンもオハイオ工場製を日本に逆輸入し、販売していた。

車名は「アコードワゴン」だったが、日本ではわざわざ「アコードU.Sワゴン」という車名が付けられた。つまり、積極的に逆輸入車であることをアピールしており、アコードクーペに続いて、半輸入車テイストを狙ったクルマだった。

エンジンは2.2Lのみ。当時国内製のアコードは1.8Lと2Lで、2.2Lという排気量は税制上不利かつ中途半端だったが、それが逆にいかにも輸入車という雰囲気を盛り上げ、ちょっと差をつけられるスタイリッシュなクルマというイメージを作ることに成功。若い女性の間でも、「アコワゴ(当時の略称)」と呼ばれて人気があった。

初代アコードU.Sワゴンは、3年間で4万台近くが販売され、逆輸入車としては大ヒットとなった。

2代目アコードワゴンは「U.S」の名称こそ落とされたものの、相変わらずアメリカからの逆輸入が続けられ、これまたヒット。新旧2代のアコワゴは、ちょうどいいブランド感を得て日本の大地に根付いたかのように見えた。

1994年2月〜1997年8月まで販売されていた2代目USアコードワゴンも初代に続いて大ヒット

しかし3代目アコードワゴンは、ついに国内製に。当時はすでに日本国内ではワゴンブームもおおかた去り、オデッセイが大ヒットするなどミニバン時代が到来していたこともあって、販売は急減。いずれにせよ「オシャレな逆輸入のアコワゴ」時代は終わりを告げたのでした。

■ジンクスを破った逆輸入車列伝3/タウンエース&ライトエース

インドネシアのダイハツ生産拠点、アストラ・ダイハツ・モーターにて生産されるグランマックスを日本向けに変更。写真は上がタウンエース、下がグランマックス。バックドアはグランマックスは横開き式だが、日本向けは従来モデル同様の跳ね上げ式

2008年2月から販売されているタウンエース&ライトエースの現行モデルは、インドネシアのダイハツ工場製だ。

月販約1000台、年間にすると約1万台という数字は、現行マーチとほぼ同レベルだが、10年間この販売台数を維持しているので、売れていると言っていいのではないだろうか。商用車だけに、質感は問題にならないのが幸いした。

■ジンクスを破った逆輸入車列伝4/シビックハッチバック&シビックタイプR

欧州仕込みのサスペンションは乗り心地がよくしなやか。写真上はシビックハッチバック。1.5L、直4VTECターボは182ps/24.5kgm。価格は280万440円。写真下はシビックタイプR。2L、直4VTECターボは320ps/40.8kgmを発生。価格は450万360円

予想に反して意外に売れているのが、現行シビックハッチバックとタイプRだ。どちらもイギリス製。このスウェンドン工場は、つい先日2021年中に閉鎖が発表されたが、そこで生産されたクルマが、閉鎖間際に日本で正規販売されることになったのは皮肉と言えようか。

シビックが日本で販売されたのは7年ぶりだったが(タイプRを除く)、この、いつのまにか、ものすごく大きくなってしまったシビックに対して、当初メディアは、「こんなのはシビックじゃない」と否定的だった。

ところが、フタを開けてみたら驚くほどの健闘。タイプRと合わせると、2018年は約1万4000台(シビックハッチバック/1万1021台、シビックタイプR/2824台)も売れた。

価格帯が高いことを考えると(280万440円~450万360円)、逆輸入車としてはアコードワゴン以来の大ヒットだ。ちなみにシビックセダンは寄居工場製だが、ハッチバックの数分の1しか売れていない。

シビックハッチバックがヒットしたのは、すでにシビックに対する固定観念があらかた消滅しかかっていたところに、攻撃的なデザインで存在感が強く、サイズが大きくて室内が広々した新型シビックが登場し、主に往年にファンの心に響いたと見るべきか。

確かに、かつてのホンダらしい「攻め」が感じられるクルマである。タイプRについては言わずもがな。なにしろFFニュルブルクリンク最速の座を争うクルマなのだから。

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