2019年2月26日、ヨーロッパのトヨタから驚くべきプレスリリースが届いた。なんとカローラ(日本名:カローラスポーツ)に”GR SPORT”を追加するという。
そしてその車両を2019年3月5日から開催されるジュネーブショーにて展示するというではないか!!
ついに、というべきかGRファミリーにカローラスポーツが追加となる。2020年1月発売開始のカローラGR SPORTについて現在わかっていることをまとめてみました。
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ
■欧州2作目のGR SPORTの完成度はいかに?
まさに寝耳に水といった状況だった。カローラGR SPORTが2020年1月からヨーロッパで発売開始される、とヨーロッパトヨタのメディアサイトで「さらっと」発表された。
リリースでは価格など多くは語られなかったものの、文面からはヒシヒシとトヨタの自信が伝わってくるものだった。

これが「カローラGR SPORT」。標準車と大きく印象は変わらないもののサイドステップなどはオリジナルだ。欧州仕様のカローラと同じく1.8Lと2Lのハイブリッドモデルが登場する
今回発表となったカローラGR SPORTはヨーロッパのトヨタにとって2台目となるGR SPORT設定車。1台目は2018年9月のパリショーで発表されたヤリスGRだ。
ヤリスは元来からヨーロッパではコンパクトカーとして一定の地位を築いているモデルでもあり、一定数の販売台数を誇っていた。
しかしながら決してスポーティな車種ではなく、どちらかというとシティコミューターとしての役割を担っていた。

これがヨーロッパのヤリスGR SPORT。トヨタにとって初めてのGR設定車種となった。その背景はやはりWRCだろう
しかしTOYOTA GAZOO RACINGは2017年からWRC(世界ラリー選手権)にヤリスで参戦していることもあり、トヨタとしても「GR」ブランドをリードする車種としてヤリスを選んだはずだ。
そして今回「GR SPORT」の設定車種をカローラ(日本名:カローラスポーツ)にすると発表した。
過去にトヨタはWRCにカローラで参戦していたこともあるなど、意外に感じるかもしれないがカローラのスポーティなイメージはヨーロッパでは根強い。

リアはほとんど変わらない印象を受けるものの、ディフューザーなどが装備されているという
しかもトヨタの新しいプラットホーム「TNGA」を採用し走り込みをしっかりしたカローラとなれば、GRのチューニングベースとしては最適ではないだろうか。
またGR SPORTというからには日本国内でも販売されているGR SPORTSラインナップと共通で、専用エアロの採用やボディ補強なども施されることはほぼ間違いないだろう。
実際に公開された「カローラGR SPORT」の写真を見るに、専用のフロントグリル周りやサイドスカートなどの装備が垣間見れる。
パワートレインは1.8Lと2Lのハイブリッドが設定されるということだが、基本的にエンジンスペックの向上はこれまでのGR SPORT同様にないはずだ(欧州仕様のカローラハイブリッドは1.8Lが122hp、2Lが180hp)。
■ステーションワゴンでも設定あり!!
そんなカローラGR SPORT、もうひとつ驚くべきは「ツーリングスポーツ」にもGR SPORTを設定するとのこと。
日本では馴染みがないが欧州カローラにはステーションワゴンの「ツーリングスポーツ」が設定されている。そちらにもGRの血を吹き込むというのだ。

「カローラツーリングスポーツ」はカローラのステーションワゴン的な位置づけ。こちらにもGR SPORTが設定される
トヨタのプレスリリースには「若者や、エンスー向けに販売を進める」と書いてある。少しアグレッシブなエアロに、しっかりした乗り味で「GAZOO」のブランディングを一気に進める予定なのかもしれない。

GAZOOがプロデュースする車種には3つのヒエラルキーが存在する。マークX GRMNなどのようなモデルがヨーロッパにも登場するのだろうか
「GAZOO」のモデルにはもっと尖った「GR」や「GRMN」といったものがある。ヨーロッパではまだ登場していないが、今後更に力を入れていくだろう。

これがカローラの「TREK」。自転車ブランド「Trek」とのコラボモデルとなる
同時にカローラの「TREK(トレック)」も発表された。ベースはステーションワゴンの「ツーリングスポーツ」でこちらも1.8Lか2Lのハイブリッドが選択できる。
自転車メーカー「Trek」とのコラボモデルでよりアグレッシブなライフスタイルを演出する。車高が20mmアップのクロスオーバー的な存在で、2019年8月から欧州で発売開始。
どちらのカローラも日本市場導入については触れられていない。
しかしこれまでのケースを考えると「カローラGR SPORT」は欧州発表半年後をメドに日本にも導入されるパターンはありそう。
すっげえ楽しみだ!!