【ハスラー eKクロス…】百花繚乱 売れまくり「SUV風味モデル」の功罪

■SUVらしい走りができるのは断然ハスラー

もうひとつ外観で異なるのが最低地上高だ。スペーシアギアは150mmだから、標準ボディと同じ数値になる。eKクロスも155mmだから、eKワゴンと変わらない。

キャストアクティバの最低地上高は180mmだ。同じキャストのスタイルとスポーツは150mmだが、アクティバはサスペンションに変更を施して最低地上高も拡大した。

さらにアクティバはタイヤも新たに開発したから、走行安定性と乗り心地のバランスも優れている。

元祖「SUV風味」なハスラー。最低地上高も実は高く、そこそこ頼もしい走りをしてくれる。大人気の意味が分かる1台だ

ハスラーの最低地上高は2WDが180mm、4WDも175mmだから、キャストアクティバと同様に悪路のデコボコを乗り越えやすい。

4WDを備えたグレードには、ドライバーがペダル操作をしなくても滑りやすい下り坂を安定して走破できるヒルディセントコントロールも装着され、SUVの機能を高めた。

このように走破力を高めるメカニズムと最低地上高の余裕では、ハスラーが最も注目される。

次はキャストアクティバで、スペーシアギアとeKクロスはベースとなった標準ボディと同じだ。

軽自動車のSUVでは、内装の変更も大切になる。スペーシアギアでは、シートの生地、後席の背面、荷室などに汚れを落としやすい加工を施した。

やや大きめのディスプレイ、アルミ調のインパネなどスタイリッシュなスペーシアギアの内装。まさに「道具(=ギア)」という雰囲気

自転車や屋外で使ったグッズを気兼ねなく積める。棚などを装着する時に便利なユーティリティナット(穴)も4箇所に設けた。

ハスラーは主力グレードの荷室には汚れを落としやすい素材を使い、ユーティリティナットは8箇所に装着した。

助手席の背もたれは、水平になるまで前方に倒せるため、駐車時には背面をテーブルとして使える。

eKクロスとキャストアクティバは、荷室に特別な変更を施していない。以上を総合的に判断すると、SUVのデザインや機能を幅広く充実させた車種としては、ハスラーが1位になる。

SUV専用車だから外観のバランスが良く、最低地上高も175~180mmの余裕を持たせた。

ボディカラー同色のインパネなど個性的なハスラーの内装。思いっきりポップな方向性だが、絶妙なバランスで老若男女問わず人気の1台

4WD搭載車にはヒルディセントコントロールなどが備わり、悪路の走破に対応している。車内では荷室の汚れを落としやすく、ユーティリティナットも豊富に装着した。

それ以外の車種は一長一短だ。キャストアクティバは最低地上高に180mmの余裕を与えたが、荷室などはほかのモデルと基本的に同じだ。

スペーシアギアは荷室やシートには汚れを落としやすい素材を使うが、最低地上高は150mmにとどまり、ヒルディセントコントロールも装着されない。

スペーシアギアはスズキ車でもあるから、ハスラーとの類似性を感じるが、SUVの走破力を高める機能は備えていない。

ベース車がスペーシアだから便利に使えるが、SUVの濃度はハスラーよりも薄い。

eKクロスは最低地上高が155mmにとどまり、4WDにも走破力を高める機能はない。荷室の造りも標準ボディと同じだから、フロントマスクをSUV風に変更しただけだ。

eKクロスは日産デイズの姉妹車だが、デイズにはエアロパーツを備えたハイウェイスターが用意される代わりに、eKクロスのようなSUV風の車種はない。

つまり三菱専用の仕様だから、足まわりや荷室まで変えることは難しかった。それでも従来の完全な姉妹車に比べると、eKシリーズの個性を際立たせている。

サイドエアバック標準装備や、プロパイロットの搭載などeKクロスの期待も大きい。うーん、登場が楽しみだ

SUVはさまざまな車種をベースに開発できるから、個性的なグレードを造る上では都合が良い。

そこで軽自動車を含めてSUVが増えたが、外観のアレンジが似ていても、悪路の走破力や荷室の工夫は車種によって大きく異なる。

購入する時は中身の違いを見比べて、用途に合った車種を選びたい。

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