到着間近の自動車税!! じつは問題だらけ!? ドライバーが支払う税金の真相がヤバすぎる

■目的が変わったのに「暫定」税率が維持されたままの取得税・重量税・揮発油税

1971年にクルマの車検時に課される「自動車重量税」が創設された。ガソリンに関する税金と同様に国税扱いになる(umaruchan4678 – stock.adobe.com)
1971年にクルマの車検時に課される「自動車重量税」が創設された。ガソリンに関する税金と同様に国税扱いになる(umaruchan4678 – stock.adobe.com)

 クルマの車検時に課される「自動車重量税」と、ガソリンを給油した際に課される「揮発油税」「地方揮発油税(一般財源化前は「地方道路税))」は、国に納める国税です。

 いっぽうの自動車取得税(環境性能割)は地方税にあたります。どれも2008年までは、クルマの利用者のために使われる目的税(道路特定財源)とされていたものです。

 いまではきれいに整備されている国道も、戦後間もない1950年代においてはひどい状態だったそう(「酷道」といわれていたとか…)。

 国の経済発展を迅速に進めるためにはまずは道路を整備する必要があります。

 そのためには道路整備に確実に充てることができる財源が必要とのことから、まずは揮発油税が1954年に道路特定財源となりました。

 その後1968年には道路特定財源として自動車取得税が創設されました。

 さらに1971年には自動車重量税が創設され、国会審議において運用において特定財源とすることとされました。

 それでも財源が不足していたことから、1974年には揮発油税の税率が暫定税率として約2倍に引き上げられています。

■問題ばかり・・・ガソリン税と消費税の2重課税や暫定税率は不要じゃないの??   

ガソリン価格を安くできるのでは? ガソリン税と消費税との2重課税をどうにかして! (beeboys – stock.adobe.com)
ガソリン価格を安くできるのでは? ガソリン税と消費税との2重課税をどうにかして! (beeboys – stock.adobe.com)

 ただ、そこから30年以上が経過し、時代の経過とともに国道が整備されていきました。

 目的税でありながら道路とは関係が薄いものにも充てられていったことや、国としては道路ではないほかの事業にこの財源を回したいという考えがありました。

 そういったことから、2008年に道路特定財源は廃止され、揮発油税も自動車取得税も自動車重量税も、一般財源化されました。

 ただ、一般財源化にあたっては、揮発油税の暫定税率(2010年以降は特例税率)とされていた税率2倍の措置が(すったもんだありながら結局は)そのままとなり、その期間も「当分の間」とされているだけで、期間の定めはありません。

 そもそも特例税率(暫定税率)は、道路整備の財源が不足していたことから設定されたものなのだから、別の事業に充てるのであれば、特例税率(暫定税率)は廃止すべきではないかとの声も多いです。

 そして、ガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)と消費税との2重課税の問題とともに、問題視されているのです。

■クルマユーザーに負担かけすぎ!! 日本は自動車産業を守る気があるのか!?? 

新車登録から13年を超えたクルマに課される重課税も改善してほしい。まだまだ現役でしょ!! 
新車登録から13年を超えたクルマに課される重課税も改善してほしい。まだまだ現役でしょ!! 

 国の令和4年度当初予算において、揮発油税の歳入は2兆790億円。同じく令和4年度当初予算の一般会計歳出額では、公共事業関係費は6兆575億円となっています。

 もちろん公共事業にはクルマに関するものではないものも多く含まれます。

 同じ一般会計となっていることを考えれば、まったく別の事業に充てられているわけでもなく、自動車重量税や自動車取得税(環境性能割)も同様に、「使い道」に関していえば、現状の一般会計化は仕方のないことではないか、と筆者は考えます。

 ただ、ここに至るまでの経緯や、税金に税金が課せられているような現状にはやはり問題があると思います。

 国民の理解を得るためには、丁寧な説明ももちろんなのですが、「それならば仕方ない」と納得できる経緯も必要ではないでしょうか。

 2021年からつづくガソリン価格の高騰の際の対処をみても、「補助金は出しても、税率は絶対に下げない」姿勢には不信感を抱かざるを得ません。

 ガソリンにはまた、石油石炭税という、揮発油税・地方揮発油税以外の税金も課せられる(そのうえで消費税)など、クルマユーザーへのしわ寄せが多すぎるのも問題。

 日本の基幹産業である自動車産業を守るうえでは、積極的にユーザーへの支援をしてほしいところなのですが、優遇するどころか、かえってユーザーに辛くあたっているのが現状。

 新車登録から13年を超えたクルマに対する重課なども、買い換えを促進する側面もあるかもしれません。

 「どんどん税金上がるけど、買い換えられないから手放そう」と、一方でクルマを所有することをあきらめる人も出てくるおそれもあるのではないでしょうか。

 政府に対する、我々クルマユーザーの不信感は募るばかりです。

次ページは : ■もし自動車税を納めなかった場合はどうなる? 

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